地元密着か強さを求めるのか!?育成年代のあり方
育成年代にかかわる気になる2つの記事があったので、紹介したいと思います。
地元の生徒で県民の後押しを
1つ目は、高校サッカー選手権で優勝した、富山第一高校の大塚監督の会見です。
- 大塚監督「日本の育成も変わっていく」|コラム|サッカー|スポーツナビ
ほとんど富山県出身の選手で優勝したことについて「日本の育成も変わってくるんじゃないか」と語り、自身の考える育成方法について述べている。 ...
富山第一高校は、ほとんどの生徒が富山県出身の生徒で占められています。大塚監督自身、ヨーロッパでライセンスを取った時に、ヨーロッパのクラブでは親元から通うという事を大事にしていたという事もあって、富山県出身の生徒たちで構成したチームで勝った事に誇りを感じているようです。
さらに、相手の星稜高校が越境入学ではいってきた生徒が多いという対照的なチームだった事もあります。
確かに、県出身の子供たちが活躍してくれた方が、地元の人達も愛着がわくと思うし、そういうのもありだと思います。
サッカーではありませんが、野球で青森県では八戸星光などスポーツ留学で越境入学している生徒が多い高校が甲子園に出場する事が多くなっていましたが、2013年の夏の甲子園では地元出身の生徒たちばかりで戦って甲子園に弘前学院聖愛高校が出場して盛り上がりました。
Jユースに上がれなかった生徒がその後活躍
続いては、本田圭佑がACミランに移籍したという事で、ガンバのジュニアユース時代に本田を見ていた上野山さんのインタビューです。
「『見る眼がない』と散々に言われた」。当時の育成担当者語る、本田圭佑がガンバユースに上がれなかった理由 | フットボールチャンネル
一方、圭佑はまったく噂に上がっていなかった。田中先生から紹介されて初めて会って、『上手いやないか、じゃあ、獲ろうか』という程度。 ...
本田は、元々ガンバのジュニアユースの出身でしたが、ユースにはあがれず。石川県の星稜高校に入学して、名古屋グランパスエイトに入団しました。
本田と同学年だったのが、家長昭博でガンバユースからガンバ大阪に入団しています。
Jリーグに入団して以降の活躍をみると、家長の方がどちらかというと伸び悩んだという印象があり、本田圭佑の方は挫折を繰り返しながらも着実にステップアップしていってるという印象があります。
ただ、だからと言って、ガンバユースの選択が間違っていたかというと、そうでもなさそうです。中学校年代の本田は「走れない」選手でパス&ゴーの基本が出来ていないような選手だったそうです。
結局、本田は高校のサッカー部に入ってそこで一回り成長してJリーグ入りを果たす事になります。Jクラブのユースに上がれなかった子たちの受け皿という訳ではないでしょうが、大阪から石川の高校に入って本田が成長した訳ですから、これはこれでよかったのだと思います。
今は、本田が話題になっていますが、かつては中村俊輔がマリノスのジュニアユースからユースに昇格できなくて、高校を経由してマリノスに入団を果たしたのは有名だと思います。
例えば、これも青森県の話になりますが、青森山田高校は青森県の中では敵なしの存在です。越境入学で入ってきている生徒も多いです。(そんな中で、青森県出身で鹿島で活躍している、柴崎岳くんはスゴイ!!)
その青森山田も今後はスポーツ推薦による県外の選手の勧誘はやめる方向だそうです。となると、今の強さが維持できるのかはわからなくなりますが、それでもし強い青森山田のままでいられるなら、これまで以上に地元密着感が出て県内からも応援されるんじゃないでしょうか?!
富山第一のように地域密着でやるのもひとつのやり方だと思うし、星稜や、青森山田、桐蔭高校らのように県外から生徒を集めてというのもひとつのやりかただと思いますね。Jリーグのユースチームは、やはりその時点でいい選手が選ばれてしまうでしょうから、高校サッカーを経て伸びてくる選手を育てられるのは日本のサッカー界にとってはいい事だと思います。
地元密着か強さを求めるのか!?育成年代のあり方