2011年 総括 Jリーグ・日本代表編
2011年のJリーグ、日本代表を振り返ってみたいと思います。
日本代表
すばらしいスタート
今年の日本代表は、男子のアジアカップ制覇でいきなりの盛り上がりを見せた。
昨年のW杯ベスト16入りで、代表人気も回復してきて、ザッケローニ監督就任後もアルゼンチンを破るなど調子もよかった訳だが、いかんせん準備期間が短い上にアジア勢との対戦はザッケローニ監督になってからは韓国戦くらいだったので少なからず不安はあった。
実際、グループリーグでは苦戦していたと思う。だが、試合をこなす毎にチームとして完成度が上がっていっているのがわかった。
サウジに快勝してグループリーグ突破。準々決勝では、香川がようやくゴールを決めての勝利という事で勢いもあった。
準決勝の韓国戦は延長戦で勝ち越すも追いつかれてPK戦決着。川島のスーパーセーブで勝利。ここのところ、勝ててなかった韓国にもPK勝ちとはいえ勝って決勝に進出出来たのは大きい。
決勝のオーストラリアとの試合も死闘だった。でも、こういう試合でヒーローが生まれるのがすごい。チームの勢いそのものを表しているかのような、李の決勝ゴールは、後で見てもすばらしいボレーシュートだ。
このアジアカップを経験した事で、ザックジャパンのベースが出来上がったように思う。
震災と結束
アジアカップ後、主力選手達のコンディションも考慮して3月のJリーグが始まるまで代表の活動はなくなっていた。
だが、その代表の活動が再開しようかという矢先に、あの大震災が起こってしまった。正直、サッカーの試合が開催できるような状況ではなかったと思う。
当初予定された試合は出来なかったが、代わりにJリーグ選抜とのチャリティーマッチが実現した。
この試合は今にしてみても、歴史に残る試合だったと思う。カズのゴールはもはや伝説だ。カズは、今シーズン、リーグ戦では0ゴールだったのだが、全くそういう気がしないのは、このゴールのおかげだと思う。
あの大震災が起こった当月に、日本のサッカー界が尽力を尽くして開催されたこのゲームは、一サッカーファンとして、ちょっと誇らしいものでもあった。
なでしこジャパンの快挙
震災後の日本に元気を与えた、もう一つの日本代表。なでしこジャパンの女子W杯制覇は記憶に新しい。
当初は、それほど注目されていなかった。NHKでは生放送がBSであったが、地上波ではフジがやっていたが、生中継ではなかったと思う。
それが、気がついたら、なでしこフィーバーになっていた。実際、彼女たちの戦いぶりは、感動を呼ぶのにふさわしいものだったと思う。
世界4位まで上り詰めていたとはいえ、トップ3との差は依然として大きいものだった。準々決勝のドイツ、決勝のアメリカには過去1度も勝った事がなかったのだから。
でも、試合ごとにヒロインが生まれた。ま、これは男子のアジアカップの時もそうだったが、そういうチームは強い。ドイツ戦での丸山のゴールや、準決勝での川澄のゴール、どれも素晴らしかった。その川澄は、今やなでしこジャパンの大エースになった。当初はレギュラーじゃなかったのに。
決勝の延長戦での澤の同点ゴールは、これまた伝説級。歴史に残るゴールだったと思う。
五輪予選+W杯3次予選
下半期は、男女の五輪予選と、W杯3次予選があった。
女子の五輪予選はセントラル開催で過密日程。W杯優勝後のフィーバーで、コンディション的にも心配された訳だが、W杯のときとは違う強さを見せて、堂々の首位突破だった。
結局、難しい試合もあったが、北朝鮮の引き分けだけで、無敗で突破したのだから見事だった。
男子は3次予選で苦しんだが、最終予選では3連勝。課題はあるが、前半戦を首位で折り返すことに成功した。来年のアウェイのシリア戦に勝てば一気に予選突破が見えてくると思う。
W杯3次予選、アウェイの北朝鮮平壌開催の話題もあったが、ウズベキスタンと共に、難なく突破を決めた。アウェイの北朝鮮で負けたので1位ではないが、最終戦はホームでウズベキスタンとの対戦なので、1位突破も可能だ。
代表の活動は、1月のアジアカップ制覇がすごく遠い昔のように感じられる。
それだけ、大震災の影響が大きかったのだと思う。なでしこジャパンのW杯制覇と、その後のフィーバーのせいもあるだろう。
来年は、男女ともロンドン五輪があるし、非常に楽しみな年。女子はW杯との連覇がかかるし、男子も海外組を呼べれば目立つの期待も高まる。何にしろ、楽しみな年になりそうだ。
Jリーグ
震災と仙台の躍進
2011年のJリーグは大震災とともに始まったとも言える年だった。
実際には第1節が始まっていた訳だが、第2節が行われる予定だった直前の3/11にあの震災が発生。Jリーグは中断を余儀なくされた。
仙台や鹿島、水戸といったクラブは震災の影響でスタジアムが被災してしまったし、チームの活動としても影響が出てしまった。
その震災で被災した地域で一番奮起したのがベガルタ仙台だった。
Jリーグ再開直後のアウェイ川崎戦での劇的勝利から、負けない仙台がそこにはあた。
夏場になるにしたがって、勝ち星がひろえなくなり、順位は伸びなかったが、夏場を通りすぎてからは再び勝ち星が増えて、最終的にはACLを狙える4位でのフィニッシュとなった。
仙台の躍進は本当に勇気を与えてくれるものだった。得点源として期待されたマルキーニョスが抜けた影響もあって、得点力不足もあったが、堅守でここまで順位をあげた。もちろん、チーム史上最高位。
J1昇格即優勝 柏レイソルの快挙
J1の優勝争いは、レイソル、グランパス、ガンバ、マリノスといったところだった。マリノスは先に脱落してしまったが、上位3チームは激戦だった。
しかし、J1昇格初年度のレイソルがここまでやるとは予想出来なかった。ネルシーニョの作ったチームは、若手も伸びてきて、完成度が上がってきていた事が大きい。
レイソルはバランスのいいチームだと思う。控えにも、主力として入ってもおかしくない選手がいたし、チーム力が中々落ちづらかったのも大きかった。
グランパスやガンバは、ACLと並行した序盤戦でのもたつきが痛かった。実際、優勝してもおかしくないくらいの勝ち点は上げてるのだから。
ただ、アントラーズやセレッソとったACL組の調子が悪かったもの事実。しかもACLはセレッソが決勝トーナメントに進出しただけだったし。
残留争いでは、アビスパが早々に離脱。ヴァンフォーレとモンテディオも難しい状況で、途中まではボトム3があっさり降格か!?という感じだったのだが。
途中から、勝ち星を拾えるようになったヴァンフォーレと平行して、レッズがどんどん順位を下げて、1時は降格圏内まで順位を下げてもつれる事になった。
最終的には、レッズが残留を決めたが、どうなってもおかしくなかったと思う。
アビスパ、ヴァンフォーレが1年でJ2に逆戻りとなった。
今年も激戦だったJ2リーグ
J2は、今年も激戦だった。序盤戦は、湘南ベルマーレ、ジェフが上位を引っ張る展開だったが。ベルマーレが突如の連敗地獄で順位を下げて早々に後退。代わって、栃木SCが上がってきた。ここ数年、上位に顔を抱いていた鳥栖や、昇格争いに入ってくるだろうと思われたコンサドーレ札幌は中々順位を上げる事が出来なかった。
大本命だった、FC東京も当初は中々勝てずにいたが、徐々に勝てるようになり、途中からは首位の座をキープ。独走状態とまでは行かなかったが、頭ひとつ抜ける展開だった。
徐々に順位を上げ始めた、鳥栖や札幌に代わって、調子を落としたジェフが順位を下げ。徳島、栃木も加わって、勝ち点差がわずかの中でひしめき合う展開に。
栃木が順位を下げたのに、続いてジェフも直接対決で勝ち点を奪えず順位を落としてしまい昇格争いから脱落。最終的に、鳥栖が2位、3位をコンサドーレ札幌と徳島ヴォルティスとのマッチレースとなった。鳥栖はJ2オリジナル10で唯一J1昇格がなかったが悲願のJ1昇格を決めた。
そして、最終戦で札幌が徳島を振りきってJ1昇格を決めた。四国初のJ1チームはお預けとなった。
ジェフの振り返りは別エントリーで行うとして、大激戦のJ2であったと思う。
昇格大本命の東京も大分苦しんだし。湘南もあっさりと脱落した。
鳥栖だったり、徳島が昇格争いに加わったり、栃木が上位に食い込んできたり、J2はまったく予想が出来ない。
何しろ、昨年ダントツで再開だった、北九州がジェフより上と同じ勝ち点だった訳だから。
J2は、徐々に力をつけてくるチームがあって、今シーズンの結果だけでは来シーズンは宛てにできないし、シーズン序盤の順位はまったく意味がもたないというリーグだ。
来シーズンは、3位~6位のプレーオフがあったり、降格するチームが出てきたりとまた、大激戦になりそうだ。
番外:松田直樹の死と松本山雅のJ2昇格
今年、大震災以外の事で、一番のショックだった事がある。松田直樹の死だ。
マツが倒れたとの一報から、一命を取り止めたと思ったが、結局帰らぬ人となった。
まだまだ、若すぎる偉大な選手の死。特に好きな選手でもなかったが、かなりショックを受けた。帰りに寄れる場所だったという事もあったが、めずらしくマリノスタウンまで献花にも行った。
今年、いろんな有名人がなくなったが、サッカーファンとしてはこの人の死を以上のものはないと思う。
そのマツが、最後に所属した松本山雅が見事にJ2昇格を果たした。マツがなくなって、順位的にも苦しくなっていた時期もあったようだが、最終的にJFLで4位以内を決めて昇格を果たした。
JFLからは、もう1チーム、町田ゼルビアが昇格。来季のJ2は22チームの大所帯となる。
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