戦力外通告
今年でいえば清水エスパルスの伊東選手や市川選手、横浜F・マリノスの松田選手や坂田選手などずっと一つのチームで活躍してきた“チームの顔”の選手達です
戦力外通告というのは俗にいう“0円提示”というやつで、シーズン終了後に受け取る金額提示の欄が“0円”となっていて言い方は悪いですが
“クビ”という事です
元柏レイソル、現ロアッソ熊本GKの南雄太のブログに書かれていた事だ。
0円提示、それが戦力外を表す場合に提示される年俸だ。クラブ側から契約を更新する気がないという意思表示である。
一口に戦力外と言っても、いろいろな意味合いがある。文字通りの戦力外というのもあれば、チームとしての若返りを図りたいだとか、年俸が高い選手を間引きたいという風に、クラブとしての思惑はある。
たしかに、マリノスの松田だとか、エスパルスの伊東輝というのは、チームにとってのこの上のない功労者であり、中心メンバーだ。もちろん、選手が生涯同じクラブでサッカー人生を終えたいと思っても、そう簡単にいかないのがプロの世界。
選手としての考えもそれぞれだろうが、年俸が下がっても、クラブに留まって貢献したいという思いもある選手もいるだろう。
0円提示ってのは、そういう選手の想いに対して有無を言わせずに、「あんた辞めてください」って言ってるようなものだ。
今のご時世、年功序列で給与が上がっていくような時代じゃないし、クラブ側も前年から年俸を上げ続けねばという縛りはとっぱらってもいいと思う。
もちろん、いくら功労者といえともチームバランスもあるし、チームとしての新陳代謝がなければ、どこかで歪が出てくる。全員を残すことは出来ないだろう。
サッカークラブとはいえ客商売。だけど、クラブにとってのお客さんはサポーターでありファンである。通常の顧客関係とは少し違う。そして、クラブと選手ってのも、単純な雇用関係ではないと思うんだよね。それは、クラブ側は意識しないといけない。
0円提示で済ませるんじゃなく、クラブ側としてのビジョンを説明する用意はしておくべきだろう。少なくとも、年間通じてまるで活躍出来ないとかではなく、チーム事情によるものならば、なおさら説明責任はあると思う。選手枠の問題もあるだろうけど、年俸を下げてもチームに残ってもらうかどうかという選択肢もあってもいいと思う。
ただ、もちろん、選手の方も永年勤続なんて事はなくて、同じクラブでサッカー人生を終えられるって考えはやめるべきだろう。どれだけ、クラブを愛していようとも去らなければならないときがある可能性があるのだ。
年齢的に若ければいいが、30歳を過ぎて引退がちらつくような時期だったら、このままサッカーを続けるか辞めるかの岐路にもなるだろう。
選手としてのクラブ愛や、サポやファンの選手への想い。経営側はチームを強くする事や、収益をあげる事も大切だが、そういった事も少しは考えないと反発を招くのは致し方ないと思う。特に、不況の影響もあるだろうが、日本のクラブは非常にドライな印象を受けてしまう。
クラブ側はどんな選手であろうとも一人の選手というのもあるだろうが、功労者をクラブから出ていってもらうってのは、そう単純ではない。その辺を念頭におかないと今後もこういった事は絶えないだろうなぁ。
戦力外通告