2010年W杯を振り返る 日本代表編
前のエントリーが少し長くなったので、日本代表は別エントリーにしました。南アフリカW杯、日本代表の振り返りです。
まぁ、直前の親善試合、特にセルビア戦、韓国戦の出来が悪くて、岡田監督が思い切った方向転換をしました。結果的にそれが吉と出た格好となりました。
ただ、あーいう、守備から入っていって戦うやり方は、本来岡田監督は得意なはずなんだよね。でも、今回の日本代表では攻撃なスタイル、パスサッカーで崩すスタイルをずっとやっていたんで、ここに来てあのサッカーをやるのかといった感じでした。
コンサドーレ札幌でも、横浜Fマリノスでも、理想のサッカーから現実路線に転換してからの方が結果が付いてきたという印象が強いんですんですよね、岡田監督は。
そのイメージが強いせいで、正直オシム前監督から代表を引き継いだときに、いつかあのサッカーをやり始めるのではというのがあって、それがずっと引っかかっていた。
でも、今回現実路線に戻して、守備から入っていくようにして結果が付いてきた。結果が付いてきた事によって、日本が盛り上がったというのは非常に大きな功績だと思う。
あのまま無理して、今までのサッカーをやって惨敗していたら、今頃どうなってたかと思うとホントに恐ろしい。
デンマーク戦のあとの記者会見から察すると、もちろん結果が出てなかった事もあるんだけれども、これまでの主力だった選手の調子があがってなかった事があったようだ。
まぁ、言わずもがなではあるが、俊輔がその筆頭で、内田もその一人だろう。
そして、大役が回ってきたのが、阿部ちゃん。これまで、どちらかというとユーティティプレーヤーとして、CB,ボランチのバックアップ的な扱いだったからなぁ。そして、アンカー役としては、イナという選択肢もあったハズだが、阿部ちゃんのバランス感覚の良さが評価された格好だ。これは、ボランチとCBの両方をやっていたところも大きい。ただ、阿部ちゃんはCBは本職ではなくて、ボランチの位置が一番生きるなってあらためて思った次第。
グループリーグ、カメルーンは内紛をかかえこんで、デンマークは調子が上がりきってないという感じではあったが、堂々と戦い2勝を上げた。オランダにもスナイデルにはやられたけど、昨年よりやれたと思う。
今大会、ジャブラニに苦しむ選手が続出するなか、本田と遠藤の直接FKは圧巻だった。デンマーク戦は高地だったしね。特に、遠藤みたいに巻いて入れるタイプのFKは今大会全然入らなかったからなぁ。日本人も実はうまいんです。もちろんプレースキックで、止まったボールではあるけど、そういう技術は持ち合わせてるんです。
ベスト16入りはしたけれど、選手たちに満足感が一切なかったのはうれしかったねぇ。だからこそ、パラグアイには勝ちたかった。まぁ、森本辺りは使って欲しかったけどね。
憲剛ももっと早く出して欲しかった。もっとも、森本なんかはベスト8以上での切り札扱いだったのかもしれないけど。そして、もしベスト8に進出しても累積イエローで長友と闘莉王は出場停止だったんだが・・・。
ベスト8という、近くて大きな壁を感じた大会でもありました。決勝トーナメントの常連であるメキシコだってベスト8にはいけてないし、パラグアイにしても今回初のベスト8。ベスト16とベスト8ってのはホントに大きな違いがあるんですなぁ。
ここで、今大会スカパーでコメンテーターを努めていたオシムさんの言葉が書かれたブログエントリーのリンクを張っておきます。
ヨーロッパのサッカー界は 日本サッカーのスタイルについて、ポジティブに取り上げている。 選手にはおめでとうと言いたい
Jリーグで、良いプレーをすることだ。
Jリーグでもっと走る。
Jリーグでもっとリスクを冒す。
そうでなければ代表だけが短期間で勇気を身につけることはできない。
Jリーグのレベルアップをしなければ、代表のレベルアップはない。
サッカーファンも代表だけを応援するのはやめてほしい。
選手たちは、Jリーグの一つ一つの試合のディテイルにこだわって
プレイの質を上げてほしい。
ファンはもっと選手にプレッシャーを与える応援をしてほしい。
クラブ同士の競争ももっと激しく、緊迫感のあるダービーマッチも必要だ
お客さんのプレッシャーがサッカーのレベルを向上させるのです。
スタジアムを満員にしようではありませんか。
Jリーグで良いプレイをすることだ。
Jリーグでもっとはしる。
Jリーグでもっとリスクを冒す。
そうでなければ代表だけが短期間で勇気を身につけることはできない。
Jリーグのレベルアップをしなければ、代表のレベルアップはない。
サッカーファンも代表だけを応援するのはやめてほしい。
選手たちはJリーグの一つ一つの試合のディテイルにこだわって
プレイの質をあげてほしい。
ファンはもっと選手にプレッシャーを与える応援をしてほしい。
お客さんのプレッシャーがサッカーのレベルを向上させるのです。
スタジアムを満員にしようではありませんか。
最後に、日本代表が目指すべきサッカーについて少し。
今大会の日本代表のやり方は非常に有効だった。まぁ、いい具合に、今大会のサッカーのトレンドともマッチしたしね。あーやって、耐え忍ぶサッカー、「おしんサッカー」は日本人に合っているという人もいる。
だた、これは誰が見てもわかるとおり、突貫工事という事もあったが、攻撃力というところにおいてはまだまだだった。カメルーン戦は練習でやっていた形だったし、デンマーク戦はFK2発が効いた格好だ。そして、堅守のパラグアイには得点を奪えなかった。
今のままのサッカーを続けていても、がんばってベスト8がいいところじゃないかと思う。あのサッカーを極めるなら、日本版カテナチオというところまでいかないといけないが、その為には強力なストライカーがいないと難しい。守っても、カウンターの破壊力がないと、どうしても限界があるからね。
もう一つは、W杯の場合は、ほとんどの対戦チームが格上であるので守備的な戦術が有効だったというのも忘れちゃいけない。でも、アジアの国と対戦する場合は、日本の方が格上である事がまだまだ多くて、今大会のサッカーはあまり有効ではないように思う。
これは、アジア全体の底上げをしないとどうにもならない問題ではあるけど、予選と本大会では対戦する相手のレベルがガラリと変わってしまう。両方に対応できるようなスタイルをつくらなければならないんだよね。
まぁ、スペインなんかは、ものすごく参考になる勝ち上がり方だったとは思う。堅守速攻のカウンターをケアしつつ、自分たちでボールを回して1点を取って勝ち上がってきたんだから。日本もアジアの国とやる場合は、守ってカウンターというのをしっかりと凌いで、得点を確実に奪って勝つというのが求められるわけだから、これ以上ない教科書だと思う。
次期監督候補の名前が何人か上がっているが、誰が監督になっても大変だと思う。なにしろ、就任後初の国際Aマッチは9月までない。しかも、そこそこの国とやる事になるだろうし。
それに、何といっても、来年初頭にはアジアカップの本大会がある。オシムさんのときですら、1年ほどの猶予があったのに、今度の監督さんは実質半年くらいでチームを固めてアジアカップに望まなければならない。しかも、ここで3位いないに入れないと、またW杯の予選と並行して次回のアジアカップ予選を格下相手に戦うとかいう事をするハメになるかもしれないから、結果もある程度残さないといけないんだ。
何はともあれ、2010年W杯南アフリカ大会で、日本代表は確かな足あとを残した。どんな形であれ結果を残してくれた、岡田監督には感謝の気持ちでいっぱいです。
これで、W杯とは一区切りつけたし、週末からは本格的にJリーグも再開する。今度は、Jリーグに気持ちを切り替えていこうと思う。
-
2010年06月30日 2010年W杯 パラグアイvs日本 冒険の終わり
決勝トーナメントに勝ち進んだ日本代表が、パラグアイ代表との一戦を迎えました -
2010年06月25日 2010年W杯 日本vsデンマーク 歓喜!!
決勝トーナメント進出がかかった日本代表のデンマーク代表戦を日テレの中継で観ました。 -
2010年06月20日 2010年W杯 オランダvs日本 想定内の敗戦
日本代表の第2戦、オランダ戦をNHK BS1の生中継で観てました。 -
2010年06月15日 2010年W杯 日本vsカメルーン アウェイ初勝利
010年W杯南アフリカ大会、日本代表の初戦、カメルーン戦をNHK総合の中継で観ました。 -
2010年07月15日 2010年W杯を振り返る
南アフリカW杯も終わって、Jリーグも再開しました。ここで、最後にW杯を振り返ってみます。
2024年 J2 第38節 モンテディオ山形vsジェフ千葉 悲惨な結末でJ2残留が決定
2024年 J2 第37節 ジェフ千葉vsV・ファーレン長崎 痛い敗戦で1歩後退
2024年 J2 第35節 ジェフ千葉vsヴァンフォーレ甲府 粘りの逆転勝ちで4連勝
2024年 J2 第34節 ジェフ千葉vsザスパ群馬 またも小森で3連勝
2024年 J2 第32節 ジェフ千葉vsレノファ山口FC 小森のハットトリックもあり5位浮上
2024年 J2 第30節 ジェフ千葉vs水戸ホーリーホック 4発完勝で3連勝
2024年 J2 第28節 ジェフ千葉vsベガルタ仙台 反攻開始を告げる4発逆転勝利
2024年 J2 第27節 ジェフ千葉vsいわきFC 後半の失速から3失点完敗
2024年 J2 第25節 横浜FCvsジェフ千葉 後半ATの2失点で痛恨の逆転負け
2024年 J2 第24節 ジェフ千葉vsロアッソ熊本 完敗中の完敗で連敗
2024年 J2 第20節 ジェフ千葉vs徳島ヴォルティス しぶとく競り勝ち3連勝
2010年W杯を振り返る 日本代表編