北京五輪 男子サッカー代表に思う
今更ではあるが、北京五輪での男子サッカー代表についてあらためて振り返っておきたいと思う。というか、ほとんどブログレビュー。
武藤さんのブログより。
。あれだけいい加減な準備体制で、しかもほとんどぶっつけ本番のチームで、あそこまで各国に抵抗できたからだ。逆説的に言えば、いかに日本のサッカーの基盤がしっかりしてきたかを、改めて示す大会だったとも言える。
オーバーエイジ不在が響いたというのはなんとなく同意。ただし、戦力的な意味ってのもあるが、経験というところの意味合いが強い。mixiのマイミクさんが書いてたが、なでしこにあって、男子チームに足りなかったもの。そこが、経験の差だと思う。男子の場合は女子とはレギュレーションが違うんであれだが、ベースがU-23代表って事で劣勢になったときの経験のなさはダイレクトに響いてくる。
もし、アメリカ戦で経験のあるオーバーエイジの選手がいて、チームを落ち着けられたら、追いつく事くらいな可能だったんじゃないのか。これは、ナイジェリア戦もしかり。
もう一つ、気になった事。引用の引用になってしまうが、エルゴラで川端暁彦さんが書いていた事。
僕たちはサッカーが好きで好きでどうしようもないがゆえに忘れてしまいがちだが、多くの日本人にとってサッカーはそこまで重要ではないし、スポーツの中に限っても一番の存在ではない。そんな日本にとって、五輪は勝負すべき大会ではなかったか。ここでの勝利は決して刹那の栄光でなく、「日本サッカーの未来」にも確実に寄与するものではなかっただろうか。
今大会のJFAのオリンピックに対する位置づけがどんなんだかわからないが、オリンピックの影響力は大きい。男子にとっては世代別大会に過ぎないというレギュレーションではあるが、そんな事は一般のサッカーファン以外に人たちには関係のない事なんだ。
世代別大会なのに、オーバーエイジを投入して貴重な経験の場を奪うのかっていうのもあるのだが、結局のところグループリーグの3試合だけで終わってしまってはもともこうもない。オーバーエイジを除くメンバーが15人だけになったとしても、決勝トーナメントを経験できるかどうかの差は大きい。
オリンピック世代の台頭が次のW杯にも響いてくるのはドイツ大会が証明してるはずだ。オリンピック世代が不発な場合、W杯ではO-26世代がほとんどで構成せざるをえなくなるわけで。それが、そんなにアンバランスかは想像がつく。
個人的に思うことは、やはりオリンピックにはもっと力を入れるべきだったという事。今大会の3戦全敗という結果はやはり選手であったり監督の力のなさっていうところがあるわけだけど、協会のバックアップが十分だったといえば、まったくもって不十分だったわけで。実際、3戦全敗だったとはいえ、そこそこ全部の試合で渡り合っていたと思う。あと、少しのプラスアルファがあれば結果は違ったかもしれない。
確かにJリーグは盛り上がっている。確実にリピーターは増え、サッカーファンの底辺は広がってるとは思う。でも、日本代表はサッカー界の顔である事は変わらない。そして、サッカーファン以外の人たちにおけるオリンピック代表ってのはA代表と≒だという事だという事をJFAの方々は認識しておかなきゃならない。
続いて、湯浅さんのコラム。
でも実際には、グラウンド状態と自然条件が悪すぎたことで、期待したほど明確に「最後の僅差のコンテンツ」が見えてきたワケじゃなかった。高温多湿の気候と、デコボコのグラウンド。確かにこれじゃ「差」が明確に見えてくるはずがない。
ボールコントロールがままならないから「下向きのサッカー」になってしまうし(普段よりも頻繁にボールを見てコントロールしなければならない!)、そんなだから、ボールがないところでのアクション(味方のパスレシーブの動き)を加速できるはずもない。だから(ボールがないところでの三人目や四人目のフリーランニングがうまくリンクするような)ハイレベルな組織プレーが演出されるはずもない。
湯浅さんの場合どちらかというと指導者目線的なところがあるんだけど。確かにこの大会、ピッチのコンディションは悪かった。そういう意味でオランダ辺りも本来の力を出し切れていなかったのかもしれない。そういう意味では日本にもチャンスはあったのだよな。いあ、ないか。結局のところ、日本の選手達は今大会のようなピッチコンディションでは難しかったと思う。
日本のサッカーのベースはショートパスをつないでいくサッカーだと思うんだが、残念ながら今のところ、よいピッチコンディションの上でしか機能していない。どこでイレギュラーするかわからないような、でこぼこのピッチ、荒れたピッチ、深い芝。そういう環境での経験がいまの日本には不足してる気がする。そういう中での試合ってのは日常的に経験してないと中々身につかないじゃないかと思う。まぁ、Jリーグのピッチをでこぼこにしろとは言わないけれど、そういう環境で練習するのは悪くないのかもしれないと思う。もちろん、そういう環境ではケガというリスクもあるんだが・・・。
湯浅さんも書いてる通り、この世代ですぐにA代表で通用しそうなのはサイドバックの3選手くらい。本田圭介も近い存在だけれど、今大会でのパフォーマンスをみると、まだまだ遠いなぁというところ。
要は、『上手いからこそもっと走れ!』という、現代サッカーにおける普遍的なテーマのことです。
結局のところ、そういうことだと思います。
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