大河ドラマ「青天を衝け」。感想です。
第三十三回 論語と算盤
あらすじ
大蔵省の方針の変更により、設立した国立銀行に余波が及ぼうとしていた。小野組への貸付金だけで150万円になるのだ。
この状況に大隈(大倉孝二)のところへかけつけた栄一(吉沢亮)。小野組や三井組に担保を要求しろという事は、第一国立銀行が潰れるということになる。大隈と問答となり飛び出すのだった。
小野組の、小野前右衛門(小倉久寛)からは泣きつかれるが、栄一も銀行を潰すわけにはいかない。しかし小野組から、信用されて借りたとし、出せるものはすべて差し出すと言い出す。小野組の犠牲で、なんとか銀行が潰れる事は免れる。
すると、今度は三井組から書状が届く。第一銀行の株をほとんど譲り受けたいというのだ。事実上、三井が銀行を乗っ取ろうとしている。栄一は、さっそく三野村(イッセー尾形)のところへ行き問い詰める。株はいらないし、三井の支配人になるつもりはないとし、大蔵省でどちらがあるべき姿か判断してもらおうと言うのだ。
栄一は、第一銀行で、西洋式の銀行監査をとりおこなう。結果、よく損害はおさえられていたが、三井組への貸付が偏っているとされる。三井組をとりはずし、栄一には頭取になってもらうとするのだった。
三菱の岩崎弥太郎(中村芝翫)は、かつてからの豪商を排除し、政府に都合のいい銀行にはお灸をすえつつ生かしたと、大隈を評価する。その実、岩崎は、政府にどっぷりとはりついていたのだ。
大久保利通(石丸幹二)は、大阪で五代(ディーン・フジオカ)と会っていた。大久保はスキを見せなさすぎると評する。もっと味方が必要だと。
栄一は、静岡へと足を向けていた。慶喜(草彅剛)と対面をはたし、談笑する。
さらに、 美賀君(川栄李奈)と話をする。やす(木村佳乃)がやってきたときの事を話すのだった。
栄一は、東京へ帰ると、養育院を養いたいと言い出す。民を守らねば、この先はないと。
頭取となった栄一だったが、その後もうまくはいかない。そんな中、喜作(高良健吾)がやってきて、横浜で蚕卵紙の買い控えが起こっていると訴えてきた。
政府でも問題となっていたが、政府が手出しすれば通商条約により外国からを受ける。これは、民で解決せねばならぬと、渋沢に頼み込む事になる。大久保は、国を助けるために味方になってくれと頼み込む。
栄一は、蚕卵紙を買い付けて得た金を利用するという許しを得て、横浜へと向かう。栄一は、政府からの金で蚕卵紙を買い上げたあげく燃やすというのだ。さらに、この事を、新聞に乗せて、世論を煽るとするのだ。喜作は、これが10年越しの横浜焼き討ちだと吠える。
正月、三野村が渋沢家にやってくる。その夜、栄一は、五代や喜作と会食する。薩摩で戦が起きそうだと話すのだ。
栄一は、三野村もいっしょにと誘う。三野村は、いまや誰もが金を崇めているいうのだ。
翌年、三野村は病でなくなる。さらに、新聞で西郷(博多華丸)が亡くなった事を知る。そして、岩崎のもとには、大久保が殺されたことが知らされるのだった。
感想
銀行を立ち上げたはいいが、何から何までうまくいくというわけではなかったようで。そもそも、栄一自身も銀行の事をよく理解していたというわけではなかったのだ。銀行は、貸付業ではない。銀行ができれば、経済が回るとかいう便利なものではない事も。
大蔵省をはなれて、大隈とは険悪な仲となっていた栄一ではあるけれど、なんだかんだで信用があるんだなぁという事がわかる一幕。政府時代は対立関係にあった、大久保利通が栄一に頼み込むのだから世の中かわったものだなぁと。
さらに、あれほどいがみ合っていた三野村とも最後の最後で和解。まあ、三野村も翌年死ぬわけですが。さらに、西郷、大久保も亡くなり、明治の世が変わっていく時期となりました。西郷どんで、西郷、大久保がなくなった先の物語がまさに始まるわけですなぁ。
次回は、栄一と岩崎がいよいよ、初対面。これは、あまりいい予感