大河ドラマ「青天を衝け」。感想です。
第三十一回 栄一、最後の変身
あらすじ
市郎右衛門(小林薫)の初7日が過ぎ、ていの婿が挨拶にやってくる。一郎を名乗るように、生前いい使っていたのだ。
そんな最中、くにに子が出来たと報せがはいる。栄一(吉沢亮)は、くに(仁村紗和)を渋沢家に呼び寄せる。それ聞いた千代は、ともにここで暮せば良いと言うのだった。
成一郎(高良健吾)が、2年半ぶりに釈放となる。
栄一の屋敷へと呼び寄せ、再会を果たす。だが、薩長の新政府に出仕している事を嫌味だと言い放つ。言い争いになる2人だったが、成一郎は死ねばよかったと泣き出す。そんな成一郎に、栄一は生きてて良かったと話す。生きてればこそ、文句も言えると。
成一郎は喜作の名に戻し、大蔵省で働くようになる。栄一は、経済の新しい仕組みを作ろうとしていた。
井上肇は、税制をあらたると意気込むが、岩倉使節団に伴い大久保が居ぬ間、新規の改正をするなとされていた。ただ、廃藩置県後の処理ならば出来るのだろうと言う栄一。そのためにはバンクだとし、国中に円を広めるのだと。
大久保から疎まれた大隈は使節団から外れていた。大隈は、新しく設立する国立バンクの名はどうすると栄一に問うていた。こうして、国立銀行という名称が誕生する。
栄一は、小野組、三井組の両者に銀行設立の支度にかかってほしいと話し出す。しかし、三井は単独で銀行をとするが、小野組も黙ってはいない。それでも栄一は、合同でやってもらいたいと。
合本での銀行設立を渋る両者。栄一は、大蔵省は小野組、三井組の換金の取り扱いを取りやめてもらうと言い出す。これを聞いた両者は、早急に銀行設立すると頭を下げるのだった。
喜作は、富岡に派遣されていた。新たにできる製糸場に、惇忠(田辺誠一)はいた。この建物を建てるのに、どれだけ苦労したかと話すのだった。喜作は、いまだ浦島太郎の気分だとし、獄中にいた自分とパリにいた栄一では大違いだと。それでも、惇忠は生き残った以上前に進まぬ訳にはいかないとするのだった。
この夏、三井組が新しい建物を建てる。新しくできた三井ハウスを新しく出来る銀行に利用しようと井上は話すのだった。
これに不服だった三野村(イッセー尾形)は栄一のところへやって来て抗議する。だが、三井がお上に逆らうような事をいうとは話す栄一。三野村は、重役を説得するとし立ち去ろうとするが、これでは徳川の世となんら変わらないと言い残すのだった。
その頃、富岡では働く女中が集まらず困っていた。惇忠は、娘のゆう(畑芽育)を伝習女工として働いてほしいと持ち出すのだった。
こうして10月、富岡製糸場が操業を開始するのだった。そして、喜作はイタリアで糸の商いを学ぶと言う。
政府では大蔵省と各省の対立が激しくなっていた。
そんな夜、西郷が栄一宅へやって来た。2人は、これまでやってきたのが正しかったのかと話すのだった。静岡からやってきたのは、偉くなりたかったわけではないのに、いつのまにか上から見下す己になってしまったと。
その夜、栄一は千代に、大蔵省を辞めると話す。官ではなく、1人の民なんだと。最後の変身だと。
感想
いきなりの修羅場かと思いましたが、千代の一言でなんとかなりました。しかしまあ、時代背景が現代とは違うし、当時は家が大事だったから栄一の子は渋沢家の子であるという判断なのでしょう。なので、千代がどうのって話でもないと思います。あのシーンは、ありのままの渋沢栄一を描くという表れなんでしょうね。
大久保から改正掛を解体されても、栄一の勢いはとどまる事を知らない。ただ、そのやり手な栄一の働きぶりは、いつしか自らがみた、お代官様と変わらぬようになってしまっていたのだなぁと。栄一本人も違和感を抱いていたところだったのでしょうね。
新政府に出仕していた栄一ですが、これ以降は民間の舞台で働くことになるので、案外政府で働いてた期間は短かったことになりますね。これから、銀行設立を皮切りに、渋沢栄一の物語が本格的に始まる事になるわけですなぁ