大河ドラマ「青天を衝け」。感想です。
第二十九回 栄一、改正する
あらすじ
栄一(吉沢亮)は、改正掛なる部署を作りたいと、大隈(大倉孝二)に申し入れる。
伊藤は、薩摩だの長州だのはもうどうでもいいと。徳川だの藩だのの垣根を取り除いてやらねば先に進まぬと。
さっそく始まった会議では、様々な意見だ出て紛糾していた。しかし、栄一はこの様子を楽しんでいた。
大隈のもとには、元幕臣の栄一の元で働くのは嫌だと詰め寄ってきていた。
そこへやってきた栄一は、測量や租税の勘定帳などなど、どうやって進めるかを話し出す。
千代たちが東京に引っ越してきた。元旗本屋敷に、住むことになったのだ。
改正掛で栄一は次々と各所出たアイデアを実現していく。夜も大隈邸で集まっていた。そんな中で、絹糸の事がわかる。栄一以外のものたちは、どうやって絹が作られるかを知らないのだ。こうして、養蚕の事は栄一に頼まれるのだった。
そんな中、鹿児島から帰ってきた大久保利通(石丸幹二)が大隈に詰め寄る。勝手な人事で、旧幕臣を入れたからだ。しかし、栄一は、新政府に金がないのは周知の事実とし、まずは懐をなんとかしなければと説く。
栄一の両親が、東京へとやって来る。
尾高家が村に戻り、惇忠(田辺誠一)が養蚕の事をいろいろやっていると言うのだ。奇しくも、栄一が取り掛かっているのと同じ時期にだ。
栄一が苦心しているさなか、前島は政府の使っている飛脚便よりも安く運ぶ事が出来ると話し出す。さらに、一般の通信も行えば、送料を取れると。それを元手に、各地に路線が出来ると言うのだ。
これにて、郵便制度が出来上がる。だが、制度を言い出した前島はイギリスに留学に。あとを、杉浦(志尊淳)が引き継ぐ。そんな中、大隈が大蔵省から追い出されてしまう。
そんなおり、惇忠が渋沢家にやって来ていた。栄一は、新政府に来てくれと頼む。だが、平九郎は新政府に殺されたとして、そんな事は出来ぬとする。しかし、栄一は、戦は一人ひとりは悪くなくても憎しみがわいてしまうとし、侍の世はまっぴらだと。壊すのではなく作るのだとした。
そして明治4年、ついに郵便が開始される。そして、尾高惇忠が、新政府に出仕する。
だが、その一方、大久保利通は、改正掛を取り潰さねばと言い出す。一方、岩倉具視(山内圭哉)は西郷はまだ来ぬのかと、薩摩だの長州などと、元武士たちの動きの遅さを嘆いていた。
感想
本格的に、栄一が明治新政府に参画。いやはや、ホントに仕事が早い。旧幕臣の若手も集まり、どんどんとアイデアが生まれる。欧州への留学組は向こうでの経験も非常に有効になっているのがわかる。
これはもちろん、物語的なところのアヤもあるのでしょうが、大久保利通含めた、薩長の元武士たちとの差が明確に分かれている事がわかります。自分たちで作った新政府を自分たちで回したいとう事ではあるんでしょうけれども、新しき世を作るというところのスピード感の差が見えてしまうのですよね。
栄一も、もはや旧幕臣という立場はなく、新しき世のために働くということに邁進しているわけですよ。だからこそ、尾高惇忠に言った言葉が重い。世の中を作るんだという。新政府軍に殺された平九郎の恨みはあれど、今はそこじゃないんだというところですね。
次回は、西郷さん登場。改正掛は、なくなるようですし、さて