大河ドラマ「麒麟がくる」。感想です。
第三十五回 義昭、まよいの中で
あらすじ
比叡山での手柄で志賀の地を与えられた光秀(長谷川博己)は、坂本に城を構えようとしていた。
気がすすまぬという、光秀だが、煕子(木村文乃)は上洛して3年で城持ちの大名になれたのだから皆喜んでいると伝える。
木下藤吉郎(佐々木蔵之介)がやってきて、信長(染谷将太)からの文を託される。
帝に仕える公家衆が空にも困る貧困で、なんとか知恵をしぼってなんとかしろというのだ。
その内容は、幕府に喧嘩を売るようなものだとするが、藤吉郎は、もはや幕府は公方様はどうでもよいのではと言い切る。
光秀は、幕府は病んでいるとし、それを正していくのだと言うのだが、藤吉郎は幕府は100年も内輪もめしているとし、かつて百姓だった自分は公方様のありがたみがわからないと。
一方、京では摂津(片岡鶴太郎)が、明智を討ち果たさそうと算段を立てていた。武田も動いたとし、浅井、朝倉も動かし、取り囲むのだと。
東庵のところで、たまの治療をしていた駒(門脇麦)。煕子とは京に来てから初めて会うこととなる。たまのおかげでといいはじめたところで、木下藤吉郎の母・なかがやってくる。
息子の出世の話をしたかと思えば、出世頭の明智光秀の事だとし、公方様が人質として妻子を京に残すよう命じているという。
駒は、義昭(滝藤賢一)のもとで墨を擦っていた。義昭は、なぜか不機嫌なようすで、駒も苛立つ。駒は、ここで光秀の妻子を京へ残すことにしたと咎めるのだった。
十兵衛はともかく信長は信用ならぬとし、幕府を動かしているのは摂津たちだとし、摂津たちが斬りたいと言えばよしというしかないのだという。
摂津たちは、自分を優柔不断だとせめたてる、それに対しいいかえせない自分が悔しいと。ときどき、自分の首を締めたくなると、何が大事で、何が大事でないのかわからなくなるのだと。
駒は、伊呂波太夫(尾野真千子)の元へむかい、十兵衛を斬ろうという者がいると話す。助けてほしいと太夫に金を渡すのだった。
本国寺での茶会に呼ばれた光秀、そこには藤孝(眞島秀和)もやってきていた。藤孝は、摂津が光秀を殺そうとしていると話す。外は、摂津の家来でがいて外から人が入れぬと。
光秀は、義昭の居場所だけ聞き出して、その場を立ち去るのだった。光秀は、途中槍で襲われる。怪我を負いながらも義昭の部屋にたどりついた光秀。
3年前に、この本国寺であった三好の襲撃を思い出し、懐かしいが楽しい思い出だと語る光秀、近江を出て3年。上洛して3年。古き悪しきものたちを滅ぼすいい機会ではないかと話す光秀。
義昭は、摂津たちを追い出して、その後は信長の好きなようにさせるのかと問う。光秀は、信長が道を踏み外すならば、坂本から二条城へやってきて義昭を守ると話すのだった。
三淵(谷原章介)がやってきて、茶会は中止だと伝えろという。だが、摂津が従わぬ場合はどうすると問う。弟、藤孝の家来たちを入れさせてもいいかとし、摂津が従わぬ場合は、捕らえよとし、政所の役目を罷免すると。
義昭はあらためて、信長とは性が合わぬとし。会ったときからずっとと話すのだった。
光秀は太夫のところに礼をいいにいくが、駒からの頼みだったと話す。藤孝は、光秀を気に入っているので、話を通すのは簡単であったと。
光秀は、信長が帝のところへ足繁く通っているという。自分は、武士ならば公方様 将軍がそれにあたるはずだとするのだが・・・
帝はどのような人か問う光秀に、太夫は1度会って声をかけてもらっただけだとする。
立ち去ろうとする光秀に、帝の覚えがめでたい方を知っているというのだった。
太夫は、三条西実澄(石橋蓮司)のところへ案内する。一点の曇りのない古の帝にちかい方だと太夫は聞いていたというのだ。
実澄は、帝(坂東玉三郎)と対面した際に、明智がやってきていた事を話す。帝は、信長の信頼がもっともあつい武将だと明智の事を話す。
何用あって明智は実澄の元を訪ねたのかと帝は問う。お上がどのような人かと問うていたと話すのだった。
帝は、明智が気に入ったのだろうと実澄に話、機会があったら連れてくるがいいと話す。
その後、太夫が光秀の元にやってくる。実澄が、御所へ行く際についていかぬかと。帝のところへだというのだ。来るのか来ないのか返答をしてくれというのだった。
光秀は実澄のところへ行き三条西家の家来のものとして着替えるのだった。
感想
すでに、義昭との間には亀裂が入っていると思われたが、光秀はまだ幕府再興を諦めてはいなかったのか。奇しくも後の秀吉に、幕府はもう切り捨てるべきまでいわれてなお、幕府を正すべきという辺り。
摂津に暗殺されかけてもなお、義昭を守るのが役目だというふうに言っているのがまた。信長がいずれ、義昭を切り捨てる事は目に見えていただけに、将軍を守るならそうするしかないという事か。摂津ら古き幕府の悪態をなくせば、幕府は変わると本気で思っていたのかどうかはわかりませんが。摂津らが去っても、義昭は信長とは反りが合わない事と言ってるし、これはもう元にはもどらないだろうなと。
信長がやたらと褒められたがる帝がどのような人物か。さすがに光秀でも気になる様子で。信長の態度からすれば、まずは帝の動向をとも考えるのは不思議ではないのだけれど。帝が光秀の事を知っているのが、東庵経由であるの誰もしらないだろうなあ。
光秀は帝と対面してどう感じるのか興味深いところです。しかも、信長に黙って密会するわけですからね。信長と義昭、義昭と光秀、信長と光秀の微妙なずれ。それが次第に大きくなるのだろうな。
次回は、義昭がいよいよ信長と決別といった話になりそうです。・
NHK出版 (2020-01-11)
売り上げランキング: 416