大河ドラマ「麒麟がくる」。感想です。
第三十四回 焼き討ちの代償
あらすじ
信長は延暦寺を遅い焼き討ちとした。老若男女問わず斬り殺した。信長は勝どきを上げるが、十兵衛は浮かぬ顔を見せる。
信長は、十兵衛(長谷川博己)のところへ行き褒めるが、十兵衛は一存で女子供は逃したと話す。信長聞かぬこととするとし、他のものなら首をはねていたと話すのだった。次からは殺せと。この一帯を領地として与えるとし、褒美だといって去っていくのだた。
京では、信長がここまでの事をやるとは思っておらず、義昭(滝藤賢一)が怒っていた。なぜ信長を止めなかったのかと。
摂津(片岡鶴太郎)は、覚恕(春風亭小朝)が信長がそこまでする事はないだろうと言っていたとし、対処する間もなかったと弁明する。
義昭は、幕府は信長の言いなりで、叡山滅亡の片棒を担いだと言われるだろうと嘆く。摂津は、織田とは手を切るべきだとし、それは出来るとする。
大和にて争っている筒井順慶(駿河太郎)と松永久秀(吉田鋼太郎)。筒井順慶に援軍をおくれば、松永久秀は織田に援軍を求めるだろうと。そうすれば両者の立場がはっきりすると。
勝てる目算があるのかと三淵(谷原章介)が問うが、幕府が味方すれば、近隣の大名たちが馳せ参じるだろうと。あとは、公方様の覚悟があるかどうかだと。
駒は、二条城にて叡山から逃れた怪我人たちを手当していた。
そこへ、筒井順慶がやってくる。松永久秀を討つため力を貸してほしいと頼みにきたのだという。
十兵衛は、叡山の悪夢にうなされていた。岸とたまが死ぬ夢だ。
目が覚めた十兵衛だったがたまの姿がみえない。伝吾(徳重聡)とともに市へ珍しい鳥を見に行ったのだと。
だが、その市で、たまは石つぶてをぶつけられて怪我をおってしまう。東庵のところへ運び込まれるのだった。
やってきた東庵(堺正章)の屋敷。たまは、伝五を叱らないでと頼む。十兵衛は父が悪いとし。叡山で戦をしたからだと。
駒は、叡山で亡くなった子供の話をする。金を稼ぐために法人がんをくれといって叡山に売りに行ったのだと。
前日に、たった8文届けてきたという子供。戦にいい戦も悪い戦もないとし、それが戦だと。
公方様のところにいるとなぜ戦が起こるかわかるとし、今一番恐ろしいのは公方様が信長から離れようとしている事だと話す。
筒井順慶の後ろ盾として、松永久秀と戦う事になると言うのだ。
順慶の宿所へやってきた十兵衛。順慶は、公方様は幕府が味方するならば、信長も味方すると聞いているという。
だが、松永久秀は信長上洛いらいの味方。味方の敵は敵とされると話す。
十兵衛は、回り道して堺へ行かぬかと誘う。駒も、商いのため立ち寄るつもりだと話す。
堺の今井宗久の館へやってきた十兵衛と筒井順慶。そこには松永久秀もやってきていた。
松永久秀は易をたてていた。十兵衛は、占いはあたるかと問うと、これはそうかと思う事もあれば、そうではない事もあると話すのだった。
久秀は茶壺をみせて、これを千貫で勝ったならば占いの結果をおしえるというが、かつて京で見せてもらったものには遠く及ばないとし十貫ならば買うという。
久秀は、そのとおりとし、今は信長がもっているものだと。久秀は、十兵衛を連れ出し問いただす。どうしろというのだと。
十兵衛は、公方様と信長の立場を考えろする。さらに、信長より与えられた近江の志賀を譲るとし、大和は諦めてくれと。
驚く松永だが、十兵衛を座らせて話し出す。上洛していらい公方様と信長はいずれ袂を分かつだろうと。信長はなんでも壊すと話すのだ。
比叡山の戦い方は自分には出来ぬという久秀。あれが出来れば天下を取れていただろうと。
十兵衛もあの戦の戦い方は、自分には出来ないとする。だが、久秀は尾張から信長をつれだしてきたのは、十兵衛だとし。しかしながら、あれがなければ世は変わらぬだろうと。
信長と十兵衛は根は同じとし、いずれ公方様と争うときがくると言うのだった。今回の十兵衛の心意気に免じて和議に応じるとするのだった。
美濃へ報告へやってきた十兵衛に、信長は松永と戦にならずに良かったと話す。
信長は公方様の言う事はいちいちまと外れとし、帝の言われる事は受け入れられると。
御所へ叡山の戦の奏上に行ってきたという信長。弟・覚恕の事は残念であるが、都に安寧が訪れるのであれば致し方無いと。
信長は、帝に褒められたと上機嫌で話すのだった。
東庵と碁を打つ、帝。帝が信長を使って、覚恕を叡山から追い払ったと戯言を言ったと話す。
しかし、信長をおいて誰があの覚恕を叡山から追い払う事が出来たかと話すのだった。
叡山から追い出された覚恕は、甲斐の武田信玄(石橋凌)の元へやってきていた。信玄は、信長を滅ぼすと宣言するのだった。
感想
比叡山焼き討ちの、描写。わかっていたこととはいえ、信長と光秀、信長と義昭、義昭と光秀の考え方の違いが鮮明なってきた出来事であったかと思います。
ここにきて、光秀は幕府の人間という立場ながらも幕府の考えは一切聞かされていない状況にありました。まあ、実質的に、信長の配下とみられても仕方がない事ではありますが。信長と義昭との軋轢がひろがるなか、光秀もまた義昭では頼れるという事がわかってはいたと思います。
松永久秀と筒井順慶の間を取り持ったものの、幕府と信長の火種としては以前と燻ったままです。その信長は、はなから義昭とは合わぬと言っているし、帝を崇拝しているようにも見えます。ただ、この信長は、褒められたいが原動力なので、褒めてくれる帝はいい人なのでしょうね。
光秀は、信長のやり方についていけなくなりつつも、久秀がいうように根っこは同じというところに気づいているのかいないのか。信長をここまでやってこさせたのは光秀自身なのですから。
そして、武田信玄登場ではありますが、どこまで出てくるのか。信玄は、この先長くはないはずなので。光秀の方は幕府から目をつけられてしまっているようですが、
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