大河ドラマ「西郷どん」第44回の感想です。
第44回 「士族たちの動乱」
あらすじ
鹿児島へ帰っていた西郷隆盛(鈴木亮平)は、畑仕事をしたり、狩りへでかけたりして日々を過ごしていた。
そんな隆盛の元へ、明治政府の要職を辞めて帰ってきた桐野利秋(大野拓朗)や別府晋介(篠原悠伸)が現れる。しかし、隆盛は東京へ戻るように注意し、自らは東京へ帰る意志がない事を伝えるのだった。
しかし、隆盛を慕い鹿児島へ戻ってくる士族たちがあとを絶たず。市内は職のない士族で溢れかえり始めていた。この自体を見かねた、桐野たちは隆盛の元を訪ねるが留守で会えず。逆に糸(黒木華)からは、長年新しき国を作るために奔走してきた隆盛に代わって、走るのが役目でではないかと問い出すのだった。
一方、大量の薩摩志士たちが帰ってしまった政府だったが、西欧視察から帰ってきた村田新八(堀井新太)、川路利良(泉澤祐希)がいた。隆盛が鹿児島へ帰ってしまった事を不穏に思いながらも、西郷従道(錦戸亮)の案内で大久保利通(瑛太)の元へ向かうのだった。利通から警察をまとめる役割を与えられるが、村田はこれを拒むが、川路だけが了承するのだった。
鹿児島での士族たちの横暴は度を超え始め、大久保家では石が投げ込まれるなどの自体となっていた。一時、西郷家へ匿われていた満寿(美村理江)だったが、やがて東京に住む事になるのだった。
東京では岩倉具視(笑福亭鶴瓶)が襲撃される事件がおこるなか、ついに佐賀で反乱が起きるのだった。しかし、佐賀での反乱は鎮められてしまう。そんな夜、江藤新平(迫田孝也)は隆盛の元へと現れるのだったが、隆盛は立つ気はないとし、どうしたら鹿児島から政府を支えられるかを考えているとされてしまうのだった。
江藤は、その後捕まり、さらし首とされてしまう。非常な大久保のやり方に心を痛める隆盛であったが、これが政府の思惑なのだろうとも察するのだった。佐賀の乱を気に、鹿児島でもいっそう士族たちの動向が政府への反乱へと向かっていた。これを見かねた隆盛は、鹿児島県令の大山綱良(北村有起哉)の元へむかい金を出してくれと頼むのだった。隆盛は鹿児島に士族たちのための学校を作り、そこで兵法や学問を学ばせようというのだった。そして、そこには東京から戻ってきていた村田もいるのだった。
大山の資金調達もあり、私学校が設立される事となるのだった。村田や別府が師範となり士族たちの教育する中、桐野だけが加われずにいた。しかし、隆盛への侮辱の言葉を聞くに連れ、桐野も隆盛の考えをくんで私学校で剣を教える事となるのだった。そして、留学していた菊次郎(今井悠貴)が帰ってくるのでした。
だが、この私学校設立の動きを知った大久保は、鹿児島への密偵を増やし警戒する事となるのだった。
感想
いよいよ、西南戦争へと向かう流れとなってきました。鹿児島へ戻った隆盛ではあったものの、西郷先生と慕われて多くの薩摩士族たちが帰ってきてしまう自体になってしまいました。隆盛自体は、大久保の新政府への遺恨もなく協力するつもりだったのでしょうが、その考えとはまったく違う方向へと進んでしまいました。
政府からは薩摩出身者がほとんどいなくなってしまいました。当然ながら、鹿児島に増えた士族たちがいずれ反乱を起こすだろうという危惧はあったでしょうね。佐賀の乱の件といい、大久保は反乱がおきたら鎮めればいいというつもりだったのでしょう。江藤のさらし首も、最後の役目だったと言い切るくらいですから。
隆盛は、私学校を設立する事になるわけですが、本人はまったくこのあとの反乱へ向かう事は予期しなかったのでしょうね。溢れかえる士族たちに、学問を教え職を与えるというのが目的ですから、政府への反乱はまったく思惑とは違うことです。川路は政府に残ったものの、桐野や別府、村田新八といった面々が鹿児島に帰ってきてしまいました。これだけのメンツがいて、兵を訓練しているとすれば、大久保も当然ながら警戒する事なります。実際に、その予感は当たってしまう訳ですが。
いよいよ、次回は西南戦争への序曲となります。西郷どんでは、隆盛の暗殺計画があったという事にするようですね。結果的に、隆盛が立って。西南戦争が始まってしまうという、なんとも先を知っているだけに嫌な気分になる回に