大河ドラマ「おんな城主 直虎」第35回の感想です。
第35回 「井伊家最後の日」
あらすじ
直虎(柴咲コウ)は、龍潭寺でつかの間の平穏を過ごしていた。近藤康用(橋本じゅん)との関係も考え、自ら近藤の元に怪我の治療に伺う事もあった。
今川氏真(尾上松也)は、義父・北条氏康の元へ身を寄せていた。一方、岡崎では家康(阿部サダオ)が、武田が身動き出来ない事で一安心していたが、井伊を見捨てた事を瀬名(菜々緒)に責められていた。タジタジだった家康だが、そこに現れた於大の方(栗原小巻)にたしなめられて難を逃れる。
そんな折、直虎の元に松下常慶(和田正人)が訪れる。虎松(寺田心)をしのの嫁ぎ先である松下源太郎(古館寛治)の養子にしないかというのである。松下には跡取りがおらず。虎松が跡取りになるという話。願ってもない話だが、井伊家の再興はなくなってしまう。
龍雲丸(柳楽優弥)には好きにするのがいいと言われるが、政次や直親らの死を無駄にしたくはないという思いもあり、直虎は思い悩むのだった。かつて、竜宮小僧になりたいという直虎を人のために生きるようにしむけたのは自分だったと思った南渓(小林薫)は、直虎にもう潮時だと言うのだった。不甲斐ない領主だったと泣き崩れる直虎であった。
川名の隠れ里で、井伊家再興を諦めた事を説明する直虎。近藤の元で井伊に戻るか、松下へ行くか、あるいは他の道もあると皆を説得するのだった。だが、直之(矢本悠馬)や亥之助が納得するはずもなく、直虎に厳しい言葉を投げかけてしまうのだった。
直虎は、虎松の元を尋ねて六左衛門(田中美央)に状況を説明するのだった。そして、虎松には、井伊の再興がなくなった事を伝えて松下の養子になるか、このまま僧となるかを選べと伝えるのだった。虎松は、駄々をこねるが、なんとかいい含めてその場を去る直虎。泣きじゃくる虎松を南渓が説得するという事で、直虎は龍潭寺へと帰るのだった。南渓は、直虎はもう領主ではないとし、必ずしも従う必要はないと投げかけるのだった。
直虎は、祐椿尼(財前直見)より、直之や高瀬は近藤に仕える事になったとし、虎松が松下の養子になる事となった事で、なつ(山口紗弥加)たちは松下へ向かう事となった。
領主としての役目を終えた、直虎は井戸で拝んでいた。そこへあらわれた龍雲丸。龍雲丸は、いっしょになりたい女がいるという。要領をえない直虎だったが、名も知らぬその女こそが直虎だったのだ。直虎は、自分といると良くない事が起きると言うのだが、龍雲丸は生き残ってしまうのは自信があるとし、直虎よりは長生きすると誓うのだった。直虎は、自らの名"とわ"を明かすのだった。
直虎は、還俗し一農夫として過ごす事となるのだった。
その後、北条氏康が突如亡くなり、武田信玄(松平健)は大喜びをする。氏康の死をきっかけに、北条と武田と手を結びたいとし、氏真を追い出すのだった。家康を頼って浜松城へとやってきた氏真。しかし、家康も武田が再び動き出す事を悟って、氏真をつきだす事を考えるが、まずは織田へ相談せねばと忠次(みのすけ)に諭されるのだった。
感想
井伊直虎と名乗って以降必死に守ってきた井伊家。井伊谷は自らの失策により近藤の手に落ち、井伊家再興もままならない日々。虎松の松下家への養子に入るのは、実は先々を考えれば悪い事ではなかったのだけれども、直虎からずれば井伊家再興を諦める事という割り切りが必要になるわけです。
政次の死からもまもなく、直親や父たちの死を乗り越えて守ってきた井伊家を取り潰す事になるというのはさすがに決断しかねるという状況ですね。たしかに、井伊直虎を誕生させたのは南渓和尚。その役目を終わらせるのも南渓自身と決めて、直虎の荷を降ろさせてあげたのはわかります。南渓の一言で、涙が溢れてきた直虎は、自分の身の丈に合わない役割に必死にがんばってきた荷を下ろす事と、役不足だった自分に対する涙だったのでしょう。
これにて井伊家は一旦解散。そう歴史的にはあくまでも一旦解散なのです。おそらくは、南渓和尚が虎松を言い含めたのもそういった事を言ったのでしょう。一旦、松下の養子となり、井伊家復興の機会を待てと。
龍雲丸がどうなるのであろうかと思っていたら、まさかの直虎と夫婦になるという事に。ここで還俗して一農夫になっていたという直虎。ただ、これで物語が終わる訳ではないので、直政まで引き継がなければなりませんからね。
次回は、いよいよ武田が三河へ侵攻という事になりそうです。かの三方ヶ原の戦いが描かれるのでしょうか。井伊谷にも武田が侵攻する事になり、直虎もそのままではいられないでしょう。そして、高瀬にも何やら不穏な動きが。青年直政登場を前にどういう展開に