大河ドラマ「おんな城主 直虎」第32回の感想です。
第32回 「復活の火」
あらすじ
虎松の偽首を差出して、井伊谷の領主となった政次(高橋一生)。直虎(柴咲コウ)は、すぐさま家康(阿部サダオ)に、この事を伝えるため書状を送るのだった。
井伊と小野が裏でつながっており、徳川が井伊を訪れたおりにはそのまま徳川に引き渡すと。その際に、井伊を徳川の国衆として復活させてほしいと送るのだった。これにより、徳川からも井伊復活の了承が得られるのだった。
その頃、駿府では北条からの援軍を氏真(尾上松也)は待っていた。その一方で、関口氏経(矢島健一)は主だった家臣を井伊谷から引き上げさせていた。関口もまた既に武田と通じていたのだった。
関口の主だった配下のものがいなくなった事で、政次は自ら直虎の元を訪れるのだった。このまま、領主でいてもいいという直虎に、とても直虎のような真似は出来ないという政次。再び、明るい日の下で碁を指せるようになるまで後僅かだと。
井伊谷に戻った政次は、事がおわったらいっしょにならぬかとなつ(山口紗弥加)に申し出る。自分の中おおとわへの思いもそのままに、なつに側にイて欲しいといういうのだった。
家康の調略により、菅沼忠久(阪田マサノブ)、鈴木重時(菅原大吉)、近藤康用(橋本じゅん)が今川から寝返る事となった。すでに、徳川と結んでいた井伊までの道案内をせよというのだった。しかし、近藤だけは切り取り次第井伊を手に入れられるはずと思っており納得がいかなかった。
武田の進軍が瞬く間に駿府まで迫ってきていた。北条の城が来るまで城にて凌ぐはずが、関口を始めとする有力な配下の武将が武田に寝返ってしまうという事態となっていた。
その頃、信玄(松平健)は、家康の調略がうまくいっていないという書状を見て、家康を軽んじるのだった。
家康の陣から狼煙があがり、直虎は家康を迎えるべく井伊谷へ向かった。しかし、そこに現れたのは、菅沼、鈴木、近藤、そして徳川の家臣酒井政次であった。近藤が、政次が裏で家康の首を取ろうとしているのではと怪しんで自らが確かめると先陣していたのだった。開場せよという、今度裏に手はず通りに開門する政次。しかし、不穏な空気を感じ取った直虎は政次へ逃げよと叫ぶのだった。近藤は、政次の首を取るために伏兵を待機させていたのだった。
感想
先代からの奸臣。それが史実で描かれる小野政次の姿です。しかし、この物語では小野の言うとおり、井伊と小野は2つで1つであった訳です。その知られざる真実が明らかになったと思った途端に、ここまで欺いていた事が仇になろうとは。
ここで政次が井伊谷を明け渡して全てが終わるはずだったところが、本当の奸臣として命を狙われるハメになるのですから、たまったものではありません。井伊の家臣も、小野の家臣も自らの主の事をよく見てますね。敵を欺く為に味方を欺く。主を欺くために部下が欺く。本当に井伊と小野は2つで1つでした。ただ、欺くのが上手すぎましたかね。
そして、何度も何度も言われていた、「今日今川屋敷が焼け落ちるかもしれんぞ」という言葉が本当になりました。武田によって今川屋敷が焼け落ちて、氏真は命からがら逃げ出す羽目になります。氏真自身は、この後も生き延びる訳ですが、戦国大名としての今川はもう憤然の灯火となってしまいました。そして、瞬く間に今川を蹂躙した武田の力は、今後徳川・織田にとっても脅威に鳴っていくわけです。もちろん、井伊にとっても。
今川屋敷が焼け落ちた日、政次は奸臣として狙われる立場となりました。史実どうりならば、この後捕まり徳川の手により処刑される運命となります。政次と通じていたはずの直虎が黙って手をこまねいているとも思えませんが、どう抗っても歴史には勝てません。直虎と政次の別れがどのように描かれるのかが気になりますね。政次が、この物語から消える事で、一つ時代が先に進む事にも