大河ドラマ「おんな城主 直虎」第25回の感想です。
第25回 「材木を抱いて飛べ」
あらすじ
材木の買い手が現れたと方久(ムロツヨシ)からの報せを受けて、井伊は活気づくのだった。材木に井伊の焼印を押して、売り先の気賀へと材木を運び出す。
その気賀では、井伊から戻ってきた龍雲丸(柳楽優弥)は、龍雲党を旗揚げし流れ者たちをまとめ上げてよろず請負を始めていた。
無事に材木の売り先である「成川屋」に材木が売られて一安心の直虎(柴咲コウ)であった。
だが、今川氏真(尾上松也)が甲斐への塩止めで捉えたものの中に三河へ通じているものがいたのだった。なんと、成川屋が材木を三河へ運び出していたのだった。
これを受けて政次(高橋一生)は、今川からの使いの関口を連れて井伊へと戻ってくるのだった。この事を知らなかった直虎は驚く。駿府へ申し開きに行くこととなった直虎だったが、これは政次へ領主を変わってもらうための今川の策である事を見抜くのであった。
この事は、政次も本意ではなかったが、今はただ直虎の策を信じるしかなかった。なつ(山口紗弥加)は、今川の目もあり動けぬ政次に代わって直虎の元へ向かう事を考えるが、政次に止められるのだった。
直虎は考え抜いた末、三河へと運び出された材木を買い戻す事とした。しかし、材木は既に気賀から三河へと運び出された後だった。六左衛門(田中美央)は、最後の伝手として龍雲党を頼り、三河へと向かった船を先回りして押さえる事とした。
駿府へと向かった直虎は時間をかせぐ為に、薬を飲んで病に伏せたふりをするのだった。
氏真への申し開きへ来た直虎。かつて、直親が三河と結ぼうとしていた事を咎められるが、直虎は、民が潤う事は、井伊が潤う事。井伊が潤う事は、今川が潤う事と、かつての寿桂尼(浅丘ルリ子)との約束を守るためだけに邁進してきたと説く。
そのとき、龍雲丸たちが大量の材木を盛って駿府へとやって来たのだった。直虎は、三河へ売られた材木を全て取り戻すように家臣に命を出していたし、これが井伊の忠義であると説くのだった。
感想
ここまで数話を要した龍雲丸の一党と、武田へと抵抗する今川家。井伊家の領内の出来事と歴史が微妙に接点を持ってきました。
無事に材木を売りさばいて、いよいよ井伊の借金もなくなり、これからというところで事は起きます。政次も、順調に直虎が領主に収まっている事で、安堵していたのでしょうが、物事はうまくいかないものです。
材木の行き先がよりによって三河という事で、一方的に井伊に謀反の疑いがかけられました。政次は、今川寄りと見られており、政次を井伊の領主にする事で、今川の支配を強固にしたかったのでしょう。
これまでの直虎だったら、ここまで氏真の考えに頭が回らなかったであろうと思います。誰よりも氏真の真意を先に気づき、家臣たちよりも落ち着いて何をするべきかを考える。直虎が、いよいよ城主として一人前になってきたなと思うところでした。
ここで、直虎と龍雲丸との絆がいい方向に結びました。三河へむかった材木を取り戻すという至難の業。龍雲党だからこそできる事でもあり、それを頼んだ直虎。材木がやってきたのはギリギリになりましたが、見事に申し開きが出来る事となりました。
もっとも、材木を買い戻した事で、全てがチャラにもどってしまった訳でもありますが。城主直虎を続けるためには致し方ない事でしょう。
次回は、その木材を使って今川が気賀に城を建てようとします。大沢基胤がやってくるという事で、堀川城の築城を始める事になるようです。気賀は承認の町であり、龍雲丸としても武家に支配されるのは心外なので事を起こし始めるようです。
気賀には、堀川城の他にも刑部城が作られるはずですが、これが物語でも出てくるのでしょうか。龍雲丸との関わりも気になるところです。ただ、この堀川城は、後に徳川勢によって惨殺される訳ですから、悲劇の城でもある訳ですが。
今回は、なんとかなりましたが、この年に小野政次が井伊谷を掌握するという事態に発展する訳で、今川もまだ直虎下ろしを諦めた訳ではないのでしょう。