大河ドラマ「おんな城主 直虎」第10回の感想です。
第10回 「走れ竜宮小僧」
あらすじ
奥山朝利(でんでん) に襲われた政次(高橋一生) は、誤って殺してしまう。事の一部始終を聞いた次郎(柴咲コウ) は、竜宮小僧としてなんとしなければと考えるのだった。
政次の事を探す井伊の人たち。父を殺された、孫一郎(平山祐介) やしの(貫地谷しほり) は、敵討ちをしてほしいと直親(三春馬浦) に頼み込むのだった。そこへ政次の名代としてなつ(山口紗弥加) がやってくる。先代直盛から井伊と小野をつなぐ橋渡しにと頼まれていたとし、今がその時という。なつから朝利の事を聞かされた、直親は捨て置かれた脇差が朝利のものだったとし、さらに刀傷が床などの低いところにあったことから、怪我をしていた朝利が襲ったものだろうと。政次は身を守るために朝利を殺してしまったのだろうという。結局、直親となつの進言もあり、政次は不問となった。
そんな直親は、初代様の井戸で政次と落ち合う。政次は礼を言うのだったが、直親は検地のときの借りは返したとだけ告げるのだった。
ときは流れて半年。直親との間の子をしのが産むのだった。大喜びをする直親。子は虎松と名付けられる。そして、政次は子が生まれた祝とし、かつての直親の父・直満の所領を返却するというのだった。実は、これには次郎が裏で関わっていたのだった。
その頃、岡崎城にいた松平元康(阿部サダオ) は、今川方を城を襲い謀反の意思を明らかにするのだった。これに怒った今川氏真(尾上松也)は、松平の人質を皆殺しにせよと命じるのだった。
次郎は、瀬名(菜々緒)の事が気がかりで、南渓(小林薫) を説得する。南渓が、直親に井伊に迷惑をかけぬゆえと命乞いに向かおうとしたところ、次郎が既に駿府にむかっていたのだった。
駿府にて樹桂尼(浅丘ルリ子)と面会した次郎。なんとか、瀬名を助けようとするが。樹桂尼は、岡崎へむかい元康と和議を結んで来いとする。次郎は、その間に瀬名たちを殺されてはかなわないと、瀬名たちと岡崎へ向かうというのだった。だが、そこへ鵜殿長照が自害したとの報せがはいった。樹桂尼の孫だという。樹桂尼は、瀬名に引導を渡してこいと帰されるのだった。
瀬名と対面した次郎。だが、その夜には翌日自害するように言い渡されてしまう。次郎は、引導を引き渡すまでは殺させないとし、明日今川館が焼け落ちるかもしれぬと、望みを捨てぬのだった。
そして翌日、瀬名が連れ去られようとする。次郎はこれを必死に食い止めようとするのだったが・・・。そこへ、早馬が訪れるのだった。
感想
ここまで、なにをするにも感情が表に現れなかった直親だったが、朝利が殺されたしのを見て自身の幼少期を思い出すのですね。あの時も、直満が北条の内通していたのは事実で殺されても致し方なかったわけですが、その時の状況と重なって見えたのでしょう。
政次を襲った朝利が悪い事は確かだったが、それでも親を殺されたしのを見て、かつての自分と重ね合わせてしまう直親。表情はあいかわらず、感情がでていませんでしたが、思うところがあるんでしょう。
ただ、政次をかばって不問とした事には、検地のときの借りを返したと言ってしまうあたり、根本的には変わってないなとも思いました。政次からすれば、今更そんな事をという感じでしょうし、むしろ根に持っていたのは直親の方だったのかという感じでしょう。
ようやく、のちの井伊直政が誕生しました。かつての許嫁が父親となったというのは、次郎からすれば複雑な思いもあるでしょう。もっとも、この時点では自分がその子供の育て親となるとは思ってもみなかったでしょうが。直親も大喜びしていましたが、子供が産まれて喜んでいたのか、それとも跡取りが出来てようやく自身が井伊の跡取りとして認められるという思いだったのか・・・。
そして、瀬名姫の危機。それにしても、思ったがすぐ行動の次郎。幼少期時代以来の瀬名との対面となりました。この時点では、瀬名は助かる訳ですが、次郎の行動は無鉄砲すぎました。それにしても、あのぼんやりが、あっというまに西三河を抑えてしまうとは。逆に、今川の衰退が段々と目にみえてくる頃ですね。
そして、いよいよ次回は直親の最期となるのでしょうか!?直親は、元康と通じていた事を、今川氏真に弁明に行く途中で誅殺されてしまうわけですが。子・虎松が生まれたと思った矢先に殺されてしまうのですから、事態はあっという間です。直親が死に、政次もその後処刑される訳で、おとわ、亀、鶴の幼馴染3人の最期にもなるわけです。