大河ドラマ「真田丸」の第31回の感想です。
第31回 「終焉」
あらすじ
秀吉(小日向文世)の世話をする、信繁(堺雅人)。秀吉は、何度もベルを鳴らして信繁を困らせるのだった。
三成(山本耕史)は、吉継(片岡愛之助)の元を尋ねて、五大老、五奉行を誰にするのか相談していた。
自分は、五奉行から外してほしいとする吉継だが、三成はなんとかと頼み込む。しかし、吉継はこのような様を晒したくないと拒むのだった。
三成は、秀吉の遺言を家康(内野聖陽)に見せる。5人の老集を5人の奉行が支えるという内容だった。合わせて10人の合議で秀頼を支えるとすると。
三成は、誓いの印として花押をもらうとするのだった。
屋敷に戻った家康。正信(近藤正臣)は、事を決めるにはいちいち奉行衆を通せと言っているようなものだと嘆く。
そこに三成が訪れるのだった。5人の老衆と、5人の奉行の花押が集まって、秀吉の遺言が定まったという言う。
三成は、念を押しにきたというのだ。秀吉の最後が近いとし、まずは朝鮮から兵を引き上げねばならないと。
自らは九州に出向いて事を行うとし、その間伏見で何か起こってはならぬとし、家康1人の考えで事を運ばぬようにと再度念を押すのだった。
そそくさと去っていた、三成に正信は小賢しいと言う。正信は、秀吉自身が書いたより新しい遺言があればいいと言うのだった。
昌幸(草刈正雄)は、2人の孫をあやしながら、桃太郎の話で戦法を説くのだった。
一方、三成は家康に釘をさしてきたと吉継に報告するのだった。三成はあらたまって、三成が関白になるまで、協力してほしいと吉継、信繁に頼み込むのだった。
家康は突如秀吉のもとを訪れる。信長から頂戴した鎧を持参してきたのだった。
家康は、5人の老衆に後を託すと一筆欲しいというのだ。半ば強引に、秀吉に遺言を書かせるのだった。
この遺言状をみた三成は、秀吉を起こしてさらに追伸の一筆を書かせるのだった。
だが、そこに寧(鈴木京香)が現れて、叱り飛ばされるのだった。
最期くらいはゆっくり静かに眠らせてと、信繁にいう寧。
秀頼には会えてないのかと尋ねる寧に、淀の方(竹内結子)があわせてくれないとする。
今の秀吉を見ても、その器の大きさはわかるだろうとする。
茶々の下を尋ねる信繁。茶々は、秀頼が秀吉の偉大さはわかるだろうとする。しかし、それと同時に別の一面も判ってしまうだろうと。
秀吉が元気なうちには見えなかったもの、心の卑しさ、醜さ、冷たさ。6歳の子供にはそれが判ってしまうと。
1人碁をうつ昌幸に、昌相(寺島進)は、何もせぬのかと問う。秀吉が死んでも何も変わらぬという昌幸に、昌相は家康が死ねば世は乱れると言う。
秀吉が死に、家康が死ぬなどという事はと、昌幸は言う。武田の領地を取り戻すのが、昌幸の願いだったと問う昌相は、いつでも準備はできているとするのだった。
そこへ、本多忠勝(藤岡弘、)が現れる。孫の顔を観に尋ねて来ていたのだった。
信幸(大泉洋)は、忠勝に百助の他に子がいる事を話していない事を問い詰められるのだった。昌幸は、先延ばしにしていい事など何一つないと言う。
家康が再び、秀吉の下を訪れる。信繁は、秀吉が絶やしてはならぬとしていた蝋燭を火を交換するのだった。
信繁に家康は言う。どれだけ華やかな暮らしをしていても死ぬときは一人だと。諸行無常だなと。
生き延びられればいいとここまで来たという家康。戦は嫌いだとし、間違いなく勝てる戦など、どこにもないと。
秀吉が死んで世が乱れては元もこないという家康に、信繁も賛同する。
そこへ小早川秀秋(浅利陽介)がやって来る。寝ている秀吉に、お元気でと声をかけるだけだった。
目を覚ました秀吉は、秀頼の事を頼むとだけ繰り返し言うのだった。
再び眠りにつく秀吉。だが、なんと、秀秋は蝋燭の火をあっさりと消してしまうのだった。
その夜から秀吉は、混濁状態となった。
信繁は、茶々の下へきていた。茶々は、秀頼とともに、秀吉の元に向かうのだった。
今にも亡くなりそうな秀吉に、茶々は近寄る事を恐れる。だが、秀頼は自ら父・秀吉の元に向かうのだった。
その夜、秀吉はうなされていた。その目に映ったのは、血まみれの子供だった。
叫び声をあげる秀吉に、三成、信繁がかけつける。秀吉は、家康を殺せと三成の命ずるのだった。
三成は、昌幸の下を尋ねて、この事を話て、家康暗殺を頼み込むのだった。
だが、昌幸は、この話は聞かなかった事とする。もし、明日、家康が亡くなったとしても、真田は一切関わりないと言うのだった。
昌幸は、昌相に家康暗殺を依頼するのだった。
秀吉の側にいた信繁。立ち去ろうとしたところ、秀吉は信繁の名を呼びとめるのだった。
石田治部を支えてやってくれと頼まれるのだった。
家康の下に、信幸が訪ねてきていたのだった。子がもう1人いる事を忠勝に言いそびれていた事を家康にいい、助けてくれと頼むのだった。
今夜は、一旦帰るがいいといい、忠勝には自分から話しておくという家康。
信幸を帰りを案内する秀忠は、難儀なことだのうという。自らも、淀殿の妹・江を嫁にもらったといい、これこれで厄介だという。
信幸は気になることがあるといい引き返す。
家康をねらう、昌相 。だが、家康の元に、忠勝が来ていた。そこへ引き返したきた信幸。先ほど、話していたときに、妙な音が聞こえたと言うのだ。
以前に忍のものが火遁の稽古をしている時にきいた音だといい、近くに潜んでいるかもしれないという。
殺気に気づいた忠勝は、槍をもって天井に突き刺す。逃げ出す、昌相。
本多忠勝相まみえる事になった昌相。煙玉で逃亡をはかる、昌相だったが、ばったりと信幸と出くわしてしまう。
そこへ忠勝に後ろから切り込まれてしまう。取り囲まれた昌相は、爆発音とともに姿をくらますのだった。
昌幸の元に、信繁がかけつける。家康の元に賊が入りこんだとするのだが、既にそこにいた信幸は、父上がやってくれたというのだった。
外から聞こえる佐助(藤井隆)の声。そこにいたのは、大怪我をおった昌相であった。
苦しむ、秀吉。目を見開いて起きた先に、呼び出し用のベルはない。床に転がっていたベルに手を差し、床に転がり落ちてしまう秀吉。
伸べるべく手を伸ばすのだったが、そのまま息絶えてしまう。
一代の英雄・豊臣はここに最期を迎えるのだった。
感想
ついに秀吉が最期を迎える事になりました。その最後は、まさかの誰にも看取られず一人でこの世を去るというものでした。
秀吉は、ほとんど床の上で眠って過ごすようになってしまいました。体が弱っており、ボケて徘徊するような事もなかったようです。
ここで勃発したのが、三成と家康の遺言争い。三成は、家康の脅威を取り除くために、家康は自分たちが動きやすいように遺言を書き加えようとする様はなんとも恐ろしいものがあります。秀吉が、ただまだ秀頼の事を心配するのが哀れになってきました。
それにしても、秀吉の枕元にあった蝋燭をあっさりと消してしまった秀秋。この秀秋が後の関が原で、西軍を敗北に追いやるわけですから、なんとも運命めいたものを感じます。
この頃、生きがいをなくしつつあった昌幸。秀吉の最期の頼みで、家康暗殺に昌相を向かわせるのだが、これに気づいたのが信幸というのがまた皮肉なものです。後の関ヶ原では袂を分かつ信幸と昌幸。もう、信幸は、家康方の人間なんですね。ただ、どちらも真田を守りたいという思いは変わらないのでしょうか。
信幸に感づかれて、大怪我を負った昌相。なにか、一つの時代が終わったなという感じでした。
秀吉が死んだ事で、家康と三成の対立が表だって来ます。此処から先は、どのように関ヶ原の戦いに繋がっていくかということですね。秀吉の最期に一番近くにいた信繁。秀吉自らに、三成を頼まれた信繁はやはり三成方につくのは致し方