日テレの「金曜ロードSHOW!」で放送された「おおかみこどもの雨と雪」を観てみました。
この作品は、映画館で上映されていたときには見に行けなかくて、テレビ放映時にも観てなかったので、これが初見になります。
映画「おおかみこどもの雨と雪」
わたしが好きになった人は、"おおかみおとこ"でした。
あらすじ
女子大生だった花が出会ったのは"おおかみおとこ"でした。しばらく同棲していた2人には子供が産まれますが、どのような姿で産まれてくるかわからず、自宅で出産する事になります。
2人目の子供・雨が産まれてほどなくして、彼は狼の姿で亡くなっているのが発見されます。"おおかみこども"として生まれた雪と雨は、都会で育てるには障壁が大きすぎたため、花は田舎暮らしを始める事にします。
築100年の古民家での生活をはじめた花。初めは、畑に植えた農作物も実らず苦労しますが、周りの人たちのささえもあり平穏な生活を送ります。
雪は小学生に通い始めます。しかし、雪は転校してきた草平に言われた事を気にして遠ざけてしまった事がきっかけで、"おおかみ"の姿になってしまい草平を傷つけてしまいます。
学校へ来なくなった雪の元へ毎日訪れる草平の事もあり、再び小学校に通い始める雪。
一方、雨は小学生に入学したものの、その後徐々に通わなくなっていきます。山に入って、山の主と思われる狐を"せんせい"と呼び師事するようになります。
雪が小学校6年になったころ、人間として生きる事を決めていた雪と、"おおかみ"として生きたいと思い始めていた雨との間でケンカが始まってしまいます。それぞれが、将来を考え始める時がきはじめました。
ある日、大荒れの天候のため、雪たちの小学校では親が迎えに来るまで体育館で待機する事になっていました。雪を迎えに行くはずだった花でしたが、雨が山の方に向かい行方不明となってしまった為、後を追う事になります。
花は雨を追ってるうちに滑落して、意識を失ってしまいます。
雪は、共に親が迎えに来なかった草平とともに教室で一夜を過ごします。そこで初めて、"おおかみ"の姿を明かす雪でしたが、草平はすべてを覚えてしました。ずっと、内緒にしてきたのでした。
倒れた花をかかえて、駐車場まで運ぶ雨は、再び山へと帰っていきます。雨は山で"おおかみ"として生きる事を決めたのでした。
漂うバッドエンド感
まず、見え終えての感想は、ホッとしたといったところでした。
この話は成長した後の雪の目線で語られている事もあり、結末がバッドエンドという事はありえないとは思えます。ただ、物語の展開的には、ハラハラさせられる部分もあり、別の誰かが同じような話を作ったらバッドエンドで終える要素はたくさんある気がします。
思えば、過去の細田作品もそうでしたが、最悪の結末が頭をよぎる展開が出てくるんですよね。そう、あくまで頭によぎるだけで、実際にはそうはならなわけですが、見終えた後の感想はホッとしたというのがしっくりきます。
バッドエンドで終わらないとはいえ、物語の終わりがハッピーエンドかといえば、必ずしもそういう感じではなく。感じとしては、日常に戻っていくという風な終わり方だと思います。
現実と非現実のはざま
これも、他の細田作品と同じなんですが、すごく現実世界に近い部分と、まったくの非現実とがうまく融合しています。
雨と雪は、”おおかみこども"ですが、そういった部分を抜かせば、現実の女の子と男の子の姉弟と同じような部分もあります。小さいころは、お姉ちゃんの方が活発だったのに、成長するにしたがって逆転するってのは、よくありそうだなという感じですよね。
逆に現実世界に近い部分ではあるけど、現実にはあまりなさそうな事もあります。花が、出欠票を出さないで出て行ったかれをおいかけたりするところとか。花が、田舎暮らしでなじんで行けたのも、現実ではなかなかない事だとは思います。"おおかみこども"の母親という特殊な事情があったにせよ、かなりうまくいった方ではないかなと思います。
細田作品は、現実世界と非現実の絶妙なバランスが、おもしろいなぁと思いますね。
笑顔と大自然
この映画で象徴的なものといえば、花の笑顔でしょうね。花が育てられた環境によるものではありますが、結果的に花の笑顔は物事がいい方向に運んでくれていた気がします。
韮崎のおじいさんに、怒られながら笑ってるシーンはなかなか愉快でした。花の笑顔があったから"おおかみこども"の2人も自分たちがおかれた事情に悲観的にならずに成長出来たんだろうなとも思いますね。
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