ときどき、ブログで映画の感想なんぞを書いたりしてる訳ですが、ハッキリ言って自分は見る目がああるわけではないので映画の評価自体はあまり出来ないんですが。ただ言えるのは、この映画を観終わったあとの、切ない感じってのは、これまでも観た「時をかける少女」の作品たちのそれと同じだったと思います。
物語としては、オリジナルストーリーの主人公である芳山和子の娘である、芳山あかりが過去にタイムスリップするという物語。
芳山和子は、記憶はなかったのに、深町一夫に会いたい一心でタイムリープの薬を自己開発してしまったんですね。母の代理で、芳山あかりが過去にタイムスリップするというところで、物語がすすんでいきます。でも、本当は1972年の4月にタイムスリップする予定が1974年の2月に行っちゃうっていうもの一つの味噌ですね。
芳山和子さんは、深町一夫という存在が消えた後も恋をしてたんですね。じっさいには、あかりが生まれてから、姿もろくに見せないみたいですけど。
あかりは、過去で未来の実の父親とも巡りあうんですよね。それが、また不思議な感じで。そして、であった頃の、過去の和子と父親との恋心ってのも感じ取るわけです。
そして、あかり自身も過去で出会った溝呂木涼太という青年と母・和子から授かった深町一夫探しという目的の為に行動を共にしていくうちに恋心が目覚めてしまうんですね。この二人が具体的にはそういった事は口走ったりしてはいないけれど、描写としては間違いなくそうでしょう。
現代の和子さんのタイムリープの薬ってのは、未来人の深町一夫からしても明らかにオーバーテクノロジーだったようで、未来にはある過去を変えては行けないとかいうルールは考えられている訳ではないんです。そういった意味で、あかりは未熟なタイムトラベラーっていう事になるんです。
それが、この新作「時をかける少女」のラストの切なさにつながっていく訳ですよ。
あかり役の仲里依紗ちゃんは、アニメ版の真琴役ってのは知ってたけど、正直想像以上によかったです。いあ、なんていうか走り姿がさまになる。
ただ、あれですよね、仲里依紗ちゃんは、超美形ではないんですよ。確かにかわいいけど、ちょっとアレッってところがある。でも、あかり役はすごく魅力的で、それだけでも好きな女優さんになってしまいそうなくらいに。
ちょっと、映画の本筋から外れてしまうんだけど、過去に戻った年代が1974年、最近だと20世紀少年の舞台が1970年でした。その頃自分は、生まれてないか、ホントに小さい頃なんで記憶は全然ないんですが、妙にノスタルジーを感じるんですよね。簡単にいうと、いい時期の昭和って感じ。
自分の中高生くらいだと、ちょうど80年代って事になる訳だけど、その頃っていうのは昭和末期という言い方も出来るけども、平成前夜とも言える感じで、昭和を懐かしむという感じではないんですね。まだ、パソコンも一部の他人の持ち物で、今時の携帯なんてものもないという事を除けば、大きな変化はないですからね。そんな事を考えながら、80年代を舞台とした設定の話でこういうノスタルジーを感じるのかなというがありますね。実際に、そういうのを感じるようになるのは、もう少し時が経ってからなのかも知れないけど、なんて事を思ってました。