映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」ネタバレあり感想
少し時間が経ってしまいましたが、6/12に「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を観てきました。たまたま、その日映画観に行ける状況だったんですが、ちょうど公開日翌日だったんですね。
「閃光のハサウェイ」は、原作の小説版をそれこそ大分前に読んではいたんですが、さすがに時間が経ちすぎていて、内容はさっぱり覚えていません。まあ、とりあえず、ハサウェイが出てくるのは知っている程度なので、初見のつもりで観てきました。
ハサウェイ・ノア
本作品の主人公。父は、あのブライト・ノア。マフティー・ナビーユ・エリンと名乗り、組織のリーダーを務めている。
「逆襲のシャア」の時期は少年でしたが、本作では立派な青年に成長しています。良くも悪くも、アムロ・レイとシャア・アズナブルの影響をモロに受けちゃっている人な訳です。
どういった経緯でという細かいところは明らかではないですが、地球から人類をなくしたいと考えています。人類が地球上に残る事での汚染を食い止めたいというのが彼の思想。ここら辺は、どちらかというとシャアよりの思想なのかなと思います。
ただ、彼に足りないものは、思想とは裏腹にやっている事はテロ組織と変わらないって事でしょうね。単純にシャアみたいな表の顔として、堂々と組織を率いるわけにいかないというところ。父が、連邦軍にいるというのもあるんでしょうけどね。実際、彼はこの作品中でのマフティの世間からの評価というのをまざまざと受けています。そして、むしろ特権階級でもない、一般市民からもテロ組織と認知されている事。地球から人類を追い出そうとしている事への嫌悪もまた。
本作では原作の最後は描かれてはいないのですが、原作では捕まって銃殺刑になるという最期のようです。主人公が、銃殺刑ってのは衝撃的です。いや、敵方だったとしても、MS戦で戦死だったり、暗殺だったりという事はあっても、裁かれて亡くなるというのはなかなかガンダムの世界で見かけないですからね。
ギギ・アンダルシア
本作のヒロイン。おそらく一般人。ガンダムのヒロインとしては、ちょっと珍しいかもっていう感じの、ブロンドヘアの正統派美人さん。割と突飛な髪色のキャラとか多かったりするので、かえって新鮮に感じてしまいます。しかも、容姿端麗。セイラさん以来じゃないかな。もっとも、彼女は一般人じゃないけれど。
彼女の能力なのか、ハサウェイをマフティと見抜いたりと、本人の認識はさておき重要人物なのです。ただ、ある意味、自由奔放な一面もあるけれど、マフティの襲撃に泣きじゃくっていたかと思ったら、保護された後はケロッとしてたりと、なかなか掴めないところがありますね。
ハサウェイ、ケネス、ギギの微妙な三角関係でもあるんですが、正直彼女の気持ちはどこにあったのかは、掴みづらいですよね。そこら辺が、惑わすヒロインだったりもしますが。
ケネス・スレッグ
地球へのシャトルでギギと隣合わせだった彼。マフティ事、ハサウェイとは良好な関係だったはずですが、やはり感づかれますよね。ギギに言い寄ったりもしますが、彼女を利用しているようでもあり、勝利の女神と崇めているようでもあり、どうなんでしょうか。
年齢的には、ハサウェイより上。まあ、おっさんではないんですが、ハサウェイと比べると大人な感じがします。まあ、ハサウェイとの境遇の違いがそうさせているところもありますが。彼は、連邦軍の軍人ですからね。
彼自身は、モビルスーツには今回乗りません。敵方で、MSに搭乗しない主要人物ってのも、ある意味珍しい気もします。でも、ケネスはたしかに指揮官として優秀ですよね。
頭上のMS戦
この作品、人物描写が多いので、MS戦自体はそこまで多くはないんですが、こちらも素晴らしい出来栄えでした。最期の、ハサウェイとレーン・エイムの対決シーンも観ものでしたが、印象的なのはハサウェイたちの頭上で繰り広げられるMS戦でしたね。
わかってはいた事だけれども、巨大兵器が頭上で戦闘しているのってめちゃめちゃ怖い。しかも、ハサウェイは味方のはずなのに、めちゃめちゃ巻き込まれて危ない場面だったし。それでも、ギギを連れて、よく逃げおうせたものです。本来の予定では、ギギは連れてくるつもりではなかったんでしょうけどね。
明るい日中ではなく、夜戦だった事もあって、どこにいるのか視認しにくいのも、余計に怖さを煽っていたと思います。もう、頭の上でドンパチやられたら、そりゃ怖いですわ。
それってテロだよね
作中でも語られていますが、マフティのやっている事って、結局テロリズムだよねってところ。
これまでの作品でも戦闘シーンはありましたが、モビルスーツを浸かった攻撃によるテロっていう認識されているのは珍しいのかなと。いや、たしかに一般人からしたら、その通りというしかないんですけどね。ガンダムの世界だと、絶えず戦争が起こっているイメージもあるので、テロという概念はなかなか思い浮かばないところがあります。
自分たちがやっている事はテロリズム。そういう事が、わずかな迷いにも感じるのが、この作品の鍵なのかなという気がしますね。
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