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大河ドラマ 「いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜 」 第二部 感想



いだてん

大河ドラマ「いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」の感想です。最終回をようやっと最近観終えたところで、第二部感想といきます。

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四三から田畑へ

第一部が感動のうちに幕を閉じ、始まった第二部でしたが、もういきなりそこは田畑政治(阿部サダヲ)の独壇場でありました。第一部の主人公であるはずの、金栗四三(中村勘九郎)は古い人間という立場になってしまってるわけですね。

金栗四三がアスリートであったのに対して、田畑政治は水泳の道を諦めて、実務の人間であります。あの本当に特徴のある喋り方とかね、独特の言い回しであったりとかする訳ですが、この人もまたオリンピック愛が止まらない一人だったのでした。

第一部と第二部の橋渡し役であり、金栗四三と田畑政治を知る人物であり、オリンピックへの情熱が覚める事がない、嘉納治五郎。もはや、彼こそが、この大河ドラマの主人公なのではと勘違いしてしまうほどでした。

ただ、彼は道半ばで亡くなってしまいます。彼は主人公ではないのですが、最終回まで登場する重要人物ではありますが。

歓喜と困難

田畑政治は、その持ち前の行動力でオリンピック参加への資金を集めたりするわけです。そして、平行して描かれていく女性アスリートたち。第一部でのシマちゃんから人見絹江へと引き継がれたものが、メダルという結果で出ます。ただ、人見絹江は、あの若さで亡くなってしまうのですよね。

治五郎や田畑が、のちの東京オリンピック開催に向けて、ある種理想としたのが戦前のロサンゼルスオリンピックでした。当時まだ差別の残るアメリカにおいて、スポーツを通じて判りあえるものが確かにそこにはありました。

ベルリンオリンピックでは、前畑秀子が金メダルを獲得するんだどといった盛り上がりはあったものの、世界は第二次世界大戦直前。日本が招致したオリンピックも戦争の渦の中に飲み込まれていきました。これは、もう本当に辛い。

かつて治五郎が建設した神宮競技場で、戦地へと旅立っていく若者たちが行進していく姿は、ただただ辛いものがありました。平和の祭典が開かれるはずだった場所で、真逆の事が起きていたわけですから。

交錯する思い

戦後、やっぱり田畑政治はオリンピック招致を諦めていなかった。もう、ほんとに日本が戦争から復興しようという最中にすでに、オリンピックへの思いが溢れている。嘉納治五郎から受け継いだねじ巻き時計も動き続けてました。

田畑のオリンピックへの思いは、その後の東京オリンピック承知へと結びついていくわけですが、この辺から政治家たちであったり世論であったりとするところと戦わざるをえない状況になっていきます。田畑政治は、ホントああいう人ですからね。嫌われる人からは嫌われる人だったとは思います。

もうこれは田畑政治の勝ちなのか負けなのかわかりませんが、表舞台を去ってからも彼と東京オリンピックの繋がりは切れなかった。田畑政治なしでの東京オリンピックはなかったという気になってくるんですわ。

みんなのオリンピック

最終回、田畑は「俺のオリンピックがみんなのオリンピックになった」というセリフがありましたが、これが彼が望んでいたことなんだろうなと。それこそ、様々な人種だったり宗教だったり立場だったりが違う人がごっちゃ混ぜになって集まって、スポーツで競いあう。それが終わったら、みんなで互いの健闘を認めあう。そんな世界が目の前に広がったわけですから感無量でしかないでしょう。

東京オリンピックの開会式の模様は、多少は映像で見た事があった気がしますが、閉会式の様子があんなだったってのは初めて見たかもしれません。まあ、オリンピック組織委員会としては最後まで滞りなく終わってほしかったでしょうから、あの状況はもうやっちまった感があるでしょうが、あれが後に評価されるのだとしたらわからないものです。

まさしく大河

金栗四三が初めてオリンピックに参加し、嘉納治五郎が東京オリンピック開催に腐心し、田畑政治が見事に東京オリンピックを開催成功させた。ざっくりと言えば、これだけですが、そこには確かな流れがあった。まさしく大河ドラマそのものであった気がします。視聴率大不審のこのドラマを最後までやってくれたのは本当にありがたい。

視聴率こそ振るわなかったものの、ネットでの評価は高かったんですよね。視聴率が悪かったのは、途中で脱落した人が多数だったという事なのだと思います。途中から復帰するのも難しいドラマでもありましたから、挽回することなく最後までいってしまったのは確かです。ただ、最後まで、物語を完遂させた事で、また再評価される日が来るかもとも思っています

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