「天気の子」2回目鑑賞感想(ネタバレあり)
9月15日、109シネマズ木場で、「天気の子」を再び観てきました。今回は、IMAX上映版にしました。
IMAX上映をやっている館は少ないので、結局都内まで行く事に。少々割高なせいもありますが、お客さん少なかったですね。通常上映版はどんな感じなのかわかりませんが。
初回時は、全体的な話についての感想でしたが、今回は細々としたところをとりあげてみました。前回感想は、なるべくネタバレ少なめにしましたが、今回はネタバレありありでいきます。
帆高はなぜ東京へ
家出少年の帆高。離島(神津島)から東京へとやってきた事で物語が始まります(冒頭シーンは陽菜ですが)。
ところで、帆高が新宿にやってきたのって、なんでだっけ!?というのはあります。断片的には、息苦しくなったとか、雨空の中で一箇所だけ晴れていた場所を追っていたといかいうのはあるのですけど。
この作品自体に彼の両親も出て来ないし、友人関係もさだかではありません。家出人として捜索願がでていたのに少し驚いた様子があったので、もしかしたら両親との間でうまくいっていない事があったのかもしれないですが。
離島から新宿にやってきてから、須賀の事務所に寝泊まりするまでに生活が困窮していたので、数日間の漫画喫茶での寝泊まりや飲食などを観てみると所持金数万円という事でしょうか。離島で、それだけの用意をしていたので、アルバイトでもしていたのか、密かにコツコツ貯めていたのか。いずれにしても、大分前から島を出ようという気ではいたんでしょうね。
ラスト、保護観察処分が解けて、高校を卒業した帆高は再び東京へ行く訳ですが、陽菜に会いたいというのもあったでしょうが、ここでもやはり島から出たいという気持ちがあったのかなと思うので、島での生活がやはり嫌ではあったんでしょうね。
陽菜の母親
冒頭、陽菜が鳥居をくぐって天気の巫女になったであろうシーン。その時点で、陽菜と凪の母親は入院してました。あの感じからすると、亡くなるまで、長くはなかったのかなという気がします。
帆高と出会ったあたりではすでに凪と2人での生活をしていてしばらく経っていたようなので、1,2ヶ月くらい経っているのかなと。天気の子の話の流れだと、雨が多い年という設定になっていたので、冒頭のシーンが4月か5月くらいでもおかしくはないんですよね。
雨の魚の謎
冒頭のシーンから出てきていた、魚と言われていた、謎の現象。陽菜が送られたはるか上空だけでなく、地上でも見かけられていましたので、特に上空だけにいる訳でもなさそうです。
人柱として送られた陽菜のところに群がっていた事から、陽菜から体を奪っていっているようにも見えますが、地上に戻る際には陽菜の体に戻っていってるようにも見えます。
結局のところ、最後まで謎の存在だった、あの魚はなんなんでしょうかね。
「君の名は。」からゲスト出演
前回書けなかった事の1つに、「君の名は。」からのゲスト出演がありました。この辺は、新海監督のインタビューにもちらほら出てきているので、もういいでしょう。
瀧くんは、陽菜への依頼先のお婆ちゃんの孫として登場しました。すでに三葉との再開を果たした後くらいだとおもうんですけどね。社会人になったからか少し落ち着いてます。
確かに、瀧くんが暮らしていた場所からすると、帆高の新宿や、陽菜の田端からも行けますね。
三葉の方は、帆高が陽菜への指輪を買うために訪れた店の店員でした。三葉が東京にいるという事は、隕石衝突から生還した方の時間軸という事になりますね。
この他に、四葉や、テッシー、サヤちんもいたという話です。
新海監督へのインタビューでは、東京が水没してしまったので、今後の登場があるかはわからないという話です。少なくとも東京では無理だろうと。もっとも、次の作品が同じ世界線なのかもわかりませんけどね。
須賀の涙
帆高が警察署から逃亡したあとに、刑事さんたちが現れます。安井刑事に、「あなた大丈夫ですか?泣いてますよ?」と声を書けられた須賀はなぜか泣いていたんですよね。
直前の描写で、娘さんが小さいころに背を計ったであろう柱の傷の描写があったりしましたが、帆高が陽菜を探すために警察署から飛び出したらしいという事も伝えられました。
ここから何かを感じたのか、涙を流すわけです。この後、須賀は帆高の向かった廃ビルへ先回りをしてますから、何か思うところがあったのかもしれません。もっとも、最初は帆高をなだめて警察にもどさせようとする訳ですが。
前触れもなく、嗚咽するわけでもなく、指摘されるまで本人ですら気づかなかった涙のほんとうの意味はなんなんでしょうかね。
やりすぎ感の東京水没
これも、結末にかかわる話なので前回はあまり書けませんでしたが、物語としては帆高が陽菜を助けた事で、人柱である陽菜がいなくなり晴れていた東京はその日からずっと雨になってしまいます。結果的に、東京の低い土地はすべて水没してしまう結果となりました。
"世界を変えてしまった"というには大げさ過ぎますが、東京に関して言えば大きく地形を変えてしまった事になります。水没マップで東京近辺を7m沈めるとこんな感じなのですが、意外と山手線ないは陸地が残ってます。むしろ江戸川区あたりが完全に沈んでるんですが。
しかし、いかに陽菜の晴れの効果が切れたとは言え、ここまでの長雨はやりすぎ感がありますね。確かに、このくらい水没するくらいじゃないと、2人のやった事の代償の大きさがわからないというのはありますが。江戸時代以前は今よりも内陸まで海だったわけなので、本来の姿に戻ったと言えばそうなりますが。
しかし、これずっと長雨だと単に水没だけじゃなく、いろいろインフラ周りとか困りそうですね。水没した地帯を完全に諦めている感じですが、鉄道路線なども一部不通になってそうだし、雨の中で工事をしなきゃいけない状況は大変そうです。
須賀さんすげぇ
帆高が保護観察処分になった一方で、須賀さんはとっくに社会復帰していました。冷静に考えると、警察官への公務執行妨害及び暴行罪には問われるでしょうからね。この感じだと、実刑ではなく、執行猶予付きの判決で終わったんでしょうね。
元々会社員でもなかったので、意外とやり直すのは難しくなかったのかもしれません。怪しげな会社で記事を書いていたりしただけなので、信用問題がなくなっても困らなかったかもしれないですから。とはいえ、3年後にバリバリ社員を何人も抱えた社長っぽい事やってるあたり、須賀さんすげえなと思わざるを得ません。
大丈夫
ラストシーン、3年ぶりに陽菜と再開した帆高が言った一言が"大丈夫"で、この後RADWINPSSの「大丈夫」が流れてエンディングとなる訳です。
これ、ホント曲の中の歌詞のように、本当は人柱になったはずの陽菜自身が地上に戻ってきた事によって、東京が水没してしまった訳ですから、陽菜自身が責任を感じていてもおかしくなかったはずです。
陽菜が天に向かって祈りをささげていた事の本当の意味はわからないですが、また晴れて欲しいという願いなのかなと思ったりしています。
帆高がいった"大丈夫"にはいろんな意味があるんだと思いますが、2人でいれば、この世界でもきっと大丈夫だよって言いたかったんじゃないかなと思っています。
2人が再会して終わるというのは、「君の名は。」と同じではあるんですが、2人と世界の関係が全然違ってくるのが面白いところですね。
最後に
「天気の子」2回目の鑑賞ですが良かったですね。作品としてはすごく好きなんですが、観終わった後に少し物足りなく感じるのは、「君の名は。」の糸守湖のシーンのような衝撃的な展開がなかった事によるものかなと思います。
もう1つは、前にも書いたかもしれないですが、帆高と陽菜に感情移入するには歳を取りすぎたってところでしょうね。それでも、年代の近い須賀だったり、帆高たちより年上の夏美だったりがいるので、大人の気持ちの方がよく判って逆に面白かったりもするのですがね。
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