西郷どん 第16回「斉彬の遺言」ネタバレ感想
月照(尾上菊之助)から渡された書状には、斉彬が亡くなった事を記されていた。近衛忠煕(国広富之)や橋本左内(風間俊介)が万事休すと思っていたなか、吉之助は次なる手立てを考えていた。再び、天使様より勅をもらい、水戸様に挙兵してもらうのだと。さっそく、忠煕は勅をもらえるよう準備を進め、西郷は一路江戸へと向かうのだった。
一方、江戸城では大老の間にて、慶喜(松田翔太)が井伊直弼(佐野史郎)に対して、天子様の勅なくメリケンと条約を結んだことを咎めていた。しかし、直弼はただ、「恐れ入り奉ります」と繰り返すのみであった。慶喜は、自らが睨みを効かせている事を忘れるなとのみ言い残すのだった。
吉之助が斉昭(伊武雅刀)に会う為に江戸へ向かっている中で、斉昭と春慶(津田寛治)は江戸城へ登城していた。しかし、直弼から待ちぼうけをくらった斉昭は、直弼の横暴を咎めたもののやはり「恐れ入り奉ります」とだけ言い返されてしまうのだった。
ようやく吉之助が江戸へと戻ったものの、斉昭からは門前払いを受けてしまう。ようやく慶喜と会う事は出来たものの、斉昭に頼むどころから自らの立場も危うい事を打ち明けられる。既に、斉昭は蟄居の処分にあっていたのだった。慶喜という最後の砦もなくなり、ただ打ちひしがれる吉之助であった。
慶喜は、その後隠居・蟄居の処罰をうける事となる。
京へと戻った吉之助は、忠煕たちに打つ手がなくなった事を話すのだった。斉彬がなくなった上に、打つ手がなくなっていた吉之助は斉彬の後を追う事を考えていた。しかし、その夜月照により、斉彬の意思をついで、薩摩守になるのだと、死んではならぬと吉之助を説得するのだった。
江戸では、勅の写しが出回っており、これに対して主膳(神保悟志)は処罰を与えるべきと直弼に進言していた。これにより、安政の大獄が始まるのだった。
京では月照が出向こうと考えていたが、皆に引き止められていた。月照を救うべく吉之助たちは、薩摩へ月照を送り届けて匿う事を考えていた。なんとか、月照と共に船で京を後にした吉之助だったが、その直後に左内は捕らえられてしまう。
薩摩への道のりは長く、宿場では既に吉之助や月照を捉えようと待ち構えられていた。なんとか、その夜泊まる場所を確保した吉之助達は疲労困憊していた。そんな夜、吉之助は斉彬にもらった小刀を見つめ後を追うつもりでいた。しかし、吉之助の前に斉彬が姿を現し吉之助を叱咤するのだった。吉之助は、斉彬の言葉に奮い立ち生きて斉彬の意思を継ぐ事を決意するのだった。
感想
安政の大獄前夜ともいうべきか、島津斉彬が亡くなったタイミングでときが動き出します。井伊直弼に、意見を述べようとしていた、慶喜や斉昭、春慶だったが逆に直弼にいいようにあしらわれて逆に処分を受ける事になってしまいました。
この頃の吉之助は、月照の言うとおり斉彬が亡くなった後涙さえも人には見せず、ただただ現幕政を倒すべく動いていたような気がします。それは、元々吉之助が抱いていた思想ではなく、まぎれもなく斉彬の影響なのでしょうが、それが自らの考えなのか斉彬のものなのかは本人ですらわからなくなっていたようにも見えます。
気がつけば水戸も一橋も井伊直弼に逆らえぬ身となり、安政の大獄が始まり逆に吉之助らは追われる立場となりました。最後の最後まで、西郷の同士だった橋本左内もこれが最後となったようです。
京に住んでいた月照からすれば、薩摩へと陸路は非常に辛いものだったでしょうね。吉之助たちでも大変な山道を進まざるをえない訳ですから。史実では、吉之助とは一旦分かれて月照は薩摩へと送られるのですが、さてどうなりますか。
吉之助の前に姿を現した斉彬はなんだったのか。死を選ぼうとしていた吉之助を救ったことには間違いないのですが。この斉彬公もこれで最後の出番となったようです。
次回吉之助たちは薩摩へ戻るものの、斉彬亡き今実験は再び斉興が握っていました。幕府へ従順だった斉興が月照を匿うはずもなく。西郷と月照は入水自殺をはかるわけです。結果、西郷だけは助かる訳ですが。西郷にとっては、これによってひとまず表舞台から消える事になるわけです。
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