大河ドラマ 真田丸 第35回 「犬伏」 感想
大河ドラマ「真田丸」の第35回の感想です。
第35回 「犬伏」
あらすじ
徳川家康の上杉討伐にともない、真田は上杉に味方する事となった。
昌幸(草刈正雄) は上田に、信幸(大泉洋)は沼田に戻り戦支度をする事となった。
大坂に残った妻子たちは、戦が始まる前に脱出するように頼むのだった。
稲(吉田羊)の元には、父・本多忠勝(藤岡弘、)から手紙が届いていた。真田が裏切るような事があれば、すぐに報せよと。
だが、稲はこの事は知らせるわけにはいかないとするのだった。
会津城では、直江兼続(村上新悟)より家康(内野聖陽)が江戸城にはいったとの報せを景勝(遠藤憲一)が受けていた。総勢10万にもなろうかという軍勢だという。
家康は、秀忠(星野源)を先陣とし、後をついていくとした。秀忠には、正信(近藤正臣)をつけるとした。
だが、これを聞いた秀忠は、家康から信用されていないと思い、気が萎えたと言う。だが、お江の励ましで気をよくするのだった。
上杉討伐で、美濃まで兵をすすめていた吉継(片岡愛之助)の元に、三成(山本耕史)が面会に現れる。
家康が北に向いている間に、兵をあげて秀頼を奉じて大坂城を抑えるというのだ。
三成は、吉継に同心を求めるのだった。素手に五奉行は3人となり、利家亡き後の前田家は骨抜きに、上杉討伐も家康のいいがかりだとし、
家康を倒さねば豊臣の世は残らぬとするのだった。
その夜、吉継は三成を呼び出す。三成を叱咤し、まずは家康を秀頼の名のもとに老衆から外すとし、そうすれば上杉討伐は徳川がおこした勝手な戦という事になるというのだ。そして、これまで家康が秀吉の命に背いてきたかの弾劾状を全国の大名に送りつけるというのだ。
三成と吉継は大坂城へ入城する。断崖上を全国の大名と家康に送りつけて、戦いのはじめとするのと。
まずは伏見城を、宇喜多秀家(高橋和也)、小早川秀秋(浅利陽介)で攻め落とし、江戸へと兵をすすめるとする。
毛利輝元(浅地直樹)には、秀頼の守護のために大坂城にとどまってもらうとするのだった。
秀秋は伏見城を攻める事になってしまったと、不満気にいう。戦の戦いなどまっぴらだと。
江雪斎(山西惇)は、ならば戦うとみせかけて、なるべく動かぬ事だと指南するが、秀秋はその方が難しいと言うのだ。
大坂城では、三成が各大名の妻子を人質として集めていた。真田家も支度をするのだった。
だが、その頃細川屋敷から火の手が上がる。人質になる事を拒んだ細川ガラシャ(橋本マナミ)が火を放ったのだった。
きり(長澤まさみ)は、それを知りガラシャを助けに行くのだが、頑として動こうとしない。ガラシャは、刺殺されてしまうのだった。
三成と吉継は、人質が死んだ事で慌てる。これにより人心が離れ敵方につくものも出てくるだろうと。
家康の元にも、三成と吉継が挙兵を企てているとの報せが届いていた。家康は、逐一報せを届けよとするのだった。
一方、吉継は去就をはっきりとしていない大名たちを味方につけるために書状を書き続けるというのだった。
魂をかけて書くといった吉継だったが、手が思うように動かない。三成が代わって執筆する事となる。
江戸より徳川秀忠が3万の軍勢で会津へと向かった。その頃、伏見では宇喜多秀家、小早川秀秋が兵をあげていた。家康もおって3万の軍勢で江戸城をたった。
その頃、真田家は下野 犬伏にて集まっていた。昌幸たちは、どの時点で上杉につくかを思案していた。攻撃の命が下った段階で上杉につくのがいいだろうとしたのだった。
ちょうど大坂より、佐助が現れるのだった。三成と吉継が挙兵した事が知らされるのだった。
昌幸は、早過ぎると怒るのだった。昌幸は、徳川と上杉の戦が始まったら、即座に横合いから襲って家康の首をとるつもりだった。
その後に、三成らが挙兵すれば、難なく江戸に攻め込めただろうと。
家康が、このまま上杉と一戦交えるか、それとも引き返して江戸に取って返すか。それとも西に向かい、三成とぶつかるか。その時に、昌幸がどう出るかと信繁は案じる。
その夜、昌幸は、信幸、信繁を呼び3人だけで話をするのだった。
昌幸は、1日や2日で終わる戦ではないとし、この先10年は続くかもしれないという。これより、上田に帰って城に籠るというのだ。
家康とはこれをもって縁を切るとし、かといって豊臣につくわけでもないという。上田に入って守りを固める。攻めてきた相手が敵だと言うのだ。
この後、どうするのだという信幸に対して、昌幸は世は再び乱れるとし、徳川方と豊臣方に別れて戦が各地でおこるだろうとする。1~2年もすれば兵は疲れ、士気は下がるだろうと。それを見計らって、一気に甲斐と信濃を手に入れるというのだった。
信繁はこれに対して、果たしてそのとおりになるだろうかと疑問をぶつける。合戦の成り立ちが変わり、敵味方がおおきなかたまりとなってぶつかる。そうなれば、この戦案外早く決着がつくかもしれないとする。少なくとも幾月かという。そうなれば、徳川と豊臣、勝った方が次なる覇者だろうと。
どちらにもつかぬという事は、どちらも敵に回すという事と言うのだった。真田の居場所はなくなるだろうと。
徳川であれ、豊臣であれ、戦に勝ったあとは、今よりはるかに大きな力を入れているとし、太刀打ちなど出来るはずがないだろうとする。
それでは、上杉と伊達と組んでという昌幸だったが、信繁は夢物語は終わりにしてくれと言い返すのだった。
信幸は、どうすればいいと問いかける。信繁は、こうなったら、徳川か豊臣のどちらかに賭けて生き残るしかないという。
信繁は、吉継が毛利を立てて、秀頼を奉じた事はおおきいとし、大坂城も既に抑えていると。豊臣に掛けるしかないのかという昌幸。
信繁は、三成が昌幸を買っているとし、うまく話をもっていけば甲斐、信濃の大名にもなれるだろうと言うのだった。
だが、信幸は豊臣が勝つとは限らぬとする。家康は、長い時間をかけて多くの大名を取り込んできたとし、太閤殿下恩顧の大名たちでさえ徳川につくものは多いとする。侮ってはならぬと。
昌幸は、この土壇場になってこよりを取り出すのだった。黒が徳川、赤が豊臣だと。信幸は、これを奪い、こういう事はよそうと言う。
信幸は自分は決めたといいだす。信繁には父とともに豊臣につけとし、自分は徳川に残ると言い出すのだった。それが最善の道だと。いずれが勝っても真田は残ると。
信幸は敵と味方に別れるのではないとし、豊臣が勝ったら、あらゆる手を使って自分を助けよと。徳川が勝ったなら、どんな手を使っても信繁と昌幸を助けると。
これはいつの日かまた、親子3人が膝を付き合わせて語り合うための策だとするのだった。たとえ、徳川と豊臣に分かれても、常に真田は一つだと。
その夜語り合う信幸と信繁。徳川に最も近い自分が適任という信幸。徳川相手に親子3人で一暴れしてみたかったともいう。
信繁は、豊臣が勝てば三成が要となり秀頼をもり立てるだろうと。徳川が勝てば、もはや上杉も敵ではないと。どちらに転んでも戦の世は終わると言うのだった。
その先は、我らが真田を背負って行かねばならぬとし、家康が勝てば信幸が、三成たちが勝てば自分が。
いずれまた、3人で飲めることを祈ろうと言う信幸であった。翌朝、昌幸と共に上田にたてという信幸。自らは、ここに残って家康に、昌幸が離反した事を伝えると言うのだった。
信幸は、昌幸が「史記」に出てくる韓信という武将が似ていると言い出す。「背水の陣」を例えに切り出すのだった。
戦は人の心を動かすのも大切だが、ここが肝心だと頭を指す昌幸。さらに、信幸は、韓信が大軍を前に川を背にした陣をしたときに、相手が油断してきたとし、伏兵に背後の城を乗っ取らせたのだと語る。討ち死に覚悟の戦と思わせておいて、実は勝つための戦いだったのだと。
感想
いよいよ関ヶ原の戦いが迫ってきました。三成挙兵に合わせて、岐路を迫られた真田家。かの犬伏の別れの回となります。
なんと言おうか、昌幸の目論見が信繁に一刀両断されるのが、時代の流れを感じます。信繁は、ずっと秀吉のもとにいて中央の政治、そして勢力図が見えているのでしょう。
考えても見れば、既に豊臣が天下統一を果たした後に、群雄割拠のような自体にはならないでしょうね。あくまでも、豊臣か徳川からという一大決戦になるだろうとした信繁の判断が正しかった訳です。
もっとも、関ヶ原の戦いがわずか1日で終わるとは、誰も思ってもみなかったでしょうね。黒田官兵衛も、数日はかかると見込んでいましたし。
関ヶ原の戦いで勢力反転のきっかけになった小早川秀秋。真田丸では、既に徳川方に寝返る布石は打たれていたのですね。
信繁が言い出したとおりに、大戦となるわけですが、真田家としてどう動くかを決断したのはお兄ちゃん・信幸でした。稲が徳川方の人間だったというのもあったのでしょう。いつか、3人で膝を付き合わせて飲める日は、結局来ることはないわけですが。
関ヶ原の戦いの後に、信幸は一応、昌幸、信繁親子の命だけは守った事になります。ただ、昌幸は力尽き。信繁は、大坂の陣へと向かうことになってしまう訳ですが。
犬伏の別れ。豊臣方と徳川方に別れた真田家の戦が
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