大河ドラマ 真田丸 第30回 「黄昏」 感想
大河ドラマ「真田丸」の第30回の感想です。
第30回 「黄昏」
あらすじ
伏見で大地震がおこる。
加藤清正(新井浩文)は、大阪から誰よりも早くかけつけていた。地震の被害は大きく、伏見城は崩壊した。
秀吉(小日向文世)は、木幡山に避難所を設けた。
三成(山本耕史)は、秀吉が木幡山に城を築くことを決めたという。
木幡山は、元々昌幸(草刈正雄)が出城を築く予定だった場所だった。だが、三成は、まずは秀吉の住まいを作るのが肝心という。
昌幸は、城の建築から外れ、堀の譜代に回ることになる。
木幡山に新しい城が出来るまで、秀吉たちは大坂城に戻った。
そこへ、エスパニアの船が嵐にあい土佐に漂着。大阪へとやってきていたのだった。
船の積荷の値打ちはおおよそ70万石という。秀吉は、その積み荷は自分のものだという。地震で、金が入り用になり、天の助けだとするのだ。
しかし、信繁は4年前にかってに船の積荷を奪ってはいけないと触れだしたという。罪のないエスパニアの船から積み荷を奪う事はできないと言う。
これに秀吉は、罪があればいいのだなとし、パテレン追放令を使い、京や大坂に残っているバテレンを捕まえる事にするのだった。
すぐに国外に退去させるという三成に、秀吉は耳を削ぎ、鼻もそいだ上に、引き回しの上磔にせよと命を出すのだった。
大坂の細川屋敷では、細川ガラシャ(橋本マナミ)の元に信者たちが集まっていた。バテレンたちが捕まったのだった。
吉蔵は、捕まったものの元へ行くと言い出す。だが、ガラシャは、吉蔵を救ってくれた人たちのはからいが無駄になるとなだめるのだった。
だが、吉蔵はそれでも出て行く事にするのだった。
6人の宣教師と20人の日本人信者は、その後長崎において磔の刑に処されるのだった。
信繁は、日本人信者たちも磔になった事を嘆いていた。
吉継(片岡愛之助)も、積み荷欲しさに罪のない人たちを磔にするとはと。
秀吉は、以前の秀吉ではなくなってしまったと信繁は言うのだった。
吉継は、秀吉は、長く生き過ぎたのかもしれないとつぶやくのだった。
家康(内野聖陽)は、秀吉の行動が常軌を逸しているとし、耄碌されたのかもとしていた。正信(近藤正臣)は、すぐに探りを入れると言うのだった。
正信は、忠勝(藤岡弘、)を使い、稲(吉田羊)に手紙をかかせていた。
その頃、昌幸は、吉田太夫の元に通っていた。
秀吉の様子を知りたがる太夫だったが、そこへ出浦昌相(寺島進)が現れる。
文禄5年9月、明の使節団が和平交渉のために大坂城に現れた。
秀吉は、明が降伏したと思っていた。だが、明は秀吉に日本国王の称号を与え、朝鮮から撤退を求めた。
これに怒った秀吉は、再び朝鮮に攻め込むとするのだが、小便を漏らしてしまう。
信繁は、拾が粗相した事にして三成とともに取り繕うのだった。
秀吉は、再び朝鮮へ大軍勢を向かわせることとなる。
三成は、清正を呼び寄せていた。目の前に現れた、秀吉はやせ細り、支えられて目の前に座るのだった。
清正は、今一度海を渡り一暴れしてくると宣言するのだった。
秀吉は、清正、三成を耳元に呼び寄せて、自分が死んだ後も拾の事をよろしくと頼むのだった。
信幸(大泉洋)は、また朝鮮で戦をする事を嘆いていた。そして、皆の前で小便をもらしたのは本当に拾なのかと問い詰める。
信繁は、もちろんと答えるだけだった。
信幸は、一旦沼田に帰る事にすると言う。検地が捗っていないので活を入れてくるというのだ。
信繁は悩んでいた。春(松岡茉優)は、それを気に病んでいた。
信繁は、自分が兄を裏切っていると言い、兄はそれをお見通しだと言う。
自分の人生の中で、あの人のようになりたいと思う人が2人いたと言う信繁。
その2人から同じ事を言われた「わしのようになるな」と。
一人はお家のために、人の道を捨てた。一人はお家のため、己の信念を曲げた。
だから自分はそうならぬように、心がけてきたと。
秀吉に仕えた以上、豊臣家に背くは、義に背く事。おかげで今、息が出来ぬほど苦しい思いをしていると吐露するのだった。
義を貫くとは、これほど苦しいものなのかと信繁はつぶやくのだった。
信幸は、沼田に戻っていた。今、秀吉が倒れれば、世が乱れることは、十分に考えられるとしていた。
この沼田城に天守を築き、難攻不落の城に作り変えると言うのだ。
再び、戦に出れるかもと張り切る、矢沢頼綱だったが、その後一度も戦場に出ることなく天寿を全うした。
大坂城では、秀吉が姿をくらましていた。信繁は、三成にだけ伝えて、秀吉の行方を探すのだった。
なんと、秀吉は庭石の上に座っていた。なんと、茶室に向かおうとしていたのだった。利休が話があると。
三成は、5歳の拾に元服してもらう事にした。信繁は、秀吉も安心するだろうと言う。
拾は元服し、秀頼と名を改めた。
秀吉は、信繁に背負われて、大坂城の天守に登っていた。伏見に城が出来て、この景色も見納めだと言う。
城の周りには大きな町を築くとし、驚くほどにぎやかで騒がしくて、活気にあふれた日本一の町。
いずれは、京から天子様を迎え入れようとしていたという。平清盛がしたことを、とうとうできなんだと。
信繁は、秀頼がきっと成し遂げてくれると答えるのだった。
伏見城に移った秀吉は、上杉景勝(遠藤憲一)を呼び寄せていた。会津に移ってくれと言うのだ。
直江兼続(村上新悟)は、何か落ち度があったのかと聞く。三成は、陸奥の伊達を抑えられるのは、上杉だけだと言うのだ。
秀吉は、景勝の側により、話しかける。伊達への備えは表向きだといい、徳川を北から見張ってほしいと言う。
自身が死んだ後、家康がよからぬ動きをした場合は、背後から攻め込めとするのだった。秀頼を助けてやってくれと頭を下げるのだった。
秀吉は、京の醍醐寺において花見を催していた。秀吉が最後におこなった大イベントだった。
豊臣一門の奥方や侍女が華やかに装って桜の下に集った。
秀吉は、秀頼に頼まれて、花咲じいをやるといいだし、梯子を用意させる。
軽やかに梯子を登って、桜の木の上にたつ秀吉。花咲爺をやり始める。だが、枝が折れて落ちてしまう秀吉。
秀吉は、これ以降床に伏せる事になった。三成は、立つ事も難しいとし、そろそろ覚悟しておいた方がいいと信繁に言うのだった。
真田屋敷では、稲がこれまで真田の家の事を報告するように父から申し使っていた事を話す。
正信(近藤正臣)から、再三秀吉の様子を伺うように申し付けられいた。稲は、これらの文は届かなかった事にするとするのだった。
信幸は、信繁の元を尋ねる。秀吉の様子を聞き出すためだった。
醍醐の花見で、桜の木から落ちたことも聞いていたが、信繁は尾ひれがついているといい、躓いただけだと答える。
信幸は、もし秀吉の様体が危ういのなら正直にいうようにとし、父のように乱世に戻ることは望んでいないと話す。
秀吉がなくなれば世は揺れるとする信幸に、揺れぬと答える信繁であった。
あまりにも秀吉の力が大きすぎたからだとし、この先秀頼を支えるのが、石田三成か、それとも家康が一層力を持つのか。
真田はそのとき、誰につけばいいのか。徳川は、秀吉のまことの加減を知りたがっていると信幸は言う。
ならば、それにのるのも手、徳川がどう動くのかを見極めるとするのだった。
その夜、吉継は、板挟みだなと、信繁をいたわるのだった。さらに、己自身で決めた道を進めばよいと進言する吉継。
三成に釘を刺されたとか、兄に命じられたとか、そのような事はどうでもよいと。
己が正しいと思う道をゆけばよいと。それが真田左衛門佐の進むべき道だと。
信繁は、信幸の元を尋ねる。秀吉の要態を話し始める。先日の花見以来、加減が悪く日に日に弱ってきていると。
あの姿を見る限り、再び元気になって、自分の力で歩くのはまずないと。
昌幸は、再び吉野太夫の元にきていた。秀吉の様子を話していた。
太夫が、席をはずそうとしたとき、昌相が現れて太夫を刺すのだった。この女は忍だったとし、本物は京の郭にいると。
同類は目をみればわかると昌相は言う。
信幸は、忠勝の元を訪ねていた。極めて重大な報せをもってやってきたと話すのだった。
秀吉は、形見分けと称して、身の回りのものを与えていた。三成や且元(小林隆)に与えたが、信繁の事は知らんという秀吉。
三成たちが場をはなれ、信繁は秀吉の床の前で見張りをしていると、秀吉が起きてくる。
初めてあったときのように屏風の陰にかくれて、遅いのう市松はと言い出す。もしやという信繁に、秀吉だと答える、秀吉。
これからおもしろいところに連れて行くという秀吉に、これから上杉と会うのではと乗ってやる信繁。
外へ出ていこうとする秀吉をなだめて、床に戻すのだった。今夜はゆっくり休んでくれという信繁。
明日、城の中を案内してくれるとうれしいと。茶々様とかるたもやってみたいと、寧は芋を茹でていると、かつての思い出を話すのだった。
感想
伏見大地震が起き、伏見城は作り直しとなります。バテレンたちを磔にした事など、秀吉はもはや気にもとめていないのでしょう。
秀吉がますます老いていきます。足元もおぼつかず。皆の前でも小便をもらしてしまう始末。さすがに、これを見ている信繁は辛いでしょうな。
この耄碌した秀吉が、再び朝鮮出兵を決めるわけです。もはや、誰も得をしない戦です。最終的には、この遠征は秀吉の死によって撤退する事になるわけですが。
醍醐の花見にて、茶々が秀吉を桜の木に登らせようとするのは少し狂気を感じましたね。誰もが危ないとおもっている事を、秀頼のために平気でやらせてしまっているのですから。秀吉が衰えてきているなか、茶々の出番は減っていますが、秀頼への溺愛ぶりが伺えます。
秀吉の現状をひた隠しにしてきた信繁が、兄・信幸に本当の事を話す事になります。三成に口止めされたとはいえ、黙っている事は苦しかったでしょう。信幸が、世が乱れる事を望んでいないというのも、話すきっかけになったのでしょう。
最後のシーンは、耄碌した秀吉が、信繁の事を覚えていないというところから始まります。信繁と秀吉の出会いのシーンの再現です。秀吉自身は、そこの事は意識せずにやっているのでしょう。信繁は、こうやってかつての出会いを覚えていてくれたのが、少しうれしかったのでしょうね。自分の力で立つことも難しいとしてた秀吉が歩いてでかけようとするのですから。
いよいよ、次回は秀吉の最後となるようです。これから、再び世の中が動き始める訳です。関ヶ原の戦いがもうすぐそこに迫ってきました
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