大河ドラマ 真田丸 第25回 「別離」 感想
大河ドラマ「真田丸」の第25回の感想です。
第25回 「別離」
あらすじ
秀吉の子、鶴松は病に伏せていた。
三成(山本耕史)の元には、鶴松の見舞いに来るものが跡を絶たないという。信繁(堺雅人)らに、極めて様態はよくないと報せ、今が山だと伝える。なんと、利休の怨念ではないかという噂がたっているという。
[回想]
利休(桂文枝)は、信繁が見つけた鉛の棒に利休の刻印がある事を、三成、吉継(片岡愛之助)とともに突き付けていた。
しかし、これを秀吉が信じるかと、利休は気にもとめない。
信繁たちは、秀長(千葉哲也)に相談していた。秀長を通じて、利休の事を秀吉に伝える事となった。
秀長は、いつまで生きられるつもりかと秀吉を問いただす。自分も秀吉もいなくなったとき、誰が鶴松を守るのかと。
さらに、力のある大名で、鶴松を守っていくしかないと、提案する。今後は、誰か一人に力が集まってはいけないと。それが鶴松様、そして豊臣家の為であると。
この期、豊臣秀長は、この世をさる事となった。
吉継は、鶴松の亡骸を聚楽亭に移すことを提案していた。鶴松様はまだ、といいかける三成に、明日の朝までは持たないというのだ。
その前に手を打たねばならぬと、吉継は言うのだった。
[回想]
利休は自らの木像を作らせていた。吉継は追い落とせるなら、多少手荒なマネをしてもいいなと三成に問うていた。
三成、吉継は、木像の事を秀吉に知らせていた。利休が作った木像の下を知らぬ間に、秀吉が通ることになるのだと。
三成は、堺の屋敷に蟄居させる事を提案し、秀吉も了承するのだった。
蟄居の事を伝えにきた三成たちに、利休は鶴松様への献上金を取り出すのだった。これはこれで受け取るが、話は別だと三成は言う。
吉継は、利休に蟄居半月の後に切腹を申し付けると言い始める。
そのやりとりを思い出していた三成。だが、吉継は、祟りなどあるはずがないと意に介さない。あるとすれば、真っ先に自分たちが祟られると言うのだ。
[回想]
堺の屋敷で、利休の相手をする信繁。未だに、北条の件を信じられないと信繁は言う。
利休は、商人の街に生まれ、金が人の心を、国を動かすことを学んだと。そして、知ったのだと、戦は儲かると。
人の心を命を金で操るのは業の深い事だとも言うのだった。それゆえ、茶をたてるのだと。
ここまで茶の道を極める事が出来たのは、それだけ自らの業が深いゆえだと利休は言うのだった。
利休の業のたてた茶だと、信繁に差し出すのだった。
信繁は、なぜあのような像を作ったのかと、利休を問いただす。利休は、あれで足をすくわれたという。一言で言えば、宿命だと。
片桐且元(小林隆)の元に、昌幸(草刈正雄)が鶴松の見舞いにやってきていた。昌幸は、鶴松の様態を尋ねる。
昌幸は、妻が明国より薬草をとりよせたとして献上するのだった。片桐且元は、自らこれを煎じる事とするのだった。
その頃、昌幸のもとには、出浦昌相(寺島進)がやってきていた。続々と大名たちが集まってるという。
昌幸は、信繁に鶴松の様子を尋ねるが、三成の許しが出ないとしてこれを頑なに断るのだった。
仕方がないと、昌相は、佐助(藤井隆)に鶴松の容体を探らせる事とするのだった。
信幸(大泉洋)は、沼田城の城主となっていた。信幸は、自分が沼田城の城主だとして、頼綱を詰問していた。
頼綱が勝手に堀を広げたというのだ。今は、城の守りを固めるよりやる事があるのだとし、その金と暇があるならば、領民のために使いたいと信幸は嘆くのだった。
一方、上田城では、床に伏せていたとりのところに、松、そして茂誠が見舞いに来ていた。
茂誠たちは、岩櫃へ向かう事になったのだという。沼田に次いで大事な城だとして、茂誠に守らせるのだと。
信繁らは、鶴松の警護にあたっていた。そこへ、秀次(新納慎也)が現れ見舞いに行く事となった。
きり(長澤まさみ)は、寧(鈴木京香)の申し付けで太鼓のおもちゃを持ってきていた。
信繁は鶴松にもしもの事があったら、診ている医者たちが心配だという。寧は、秀吉に、罪のない人達を苦しめたからだときつく言いつけてるといい心配いらないと。
実は、茶々も利休の死に関わっていたというのだ。
[回想]
茶々(竹内結子)は、利休に木像を作らせていた。しかし、大きすぎるゆえ引き取ってもらう事に。
利休は、寸法を間違えたと言うのだった。捨てるのも不憫だし、どうしたものかと。
茶々は、大徳寺に預かってもらえばと提案するのだった。
きりは茶々が怖いという。回りを不幸にしていると。信繁は、悪気はないのだと言うのだが、だから余計に怖いときりは言うのだった。
三成は、鶴松の亡骸をどうするか思案していた。まず、東福寺にて夜を明かし、そこから妙心寺へ運ぶのだと。そこに、加藤清正(新井浩文)、福島正則(深水元基)がやってくる。
心配で、肥後から飛んできたのだと。清正は、願掛け水垢離をするのだと三成を誘うが断られるのだった。
さらには、家康(内野聖陽)、本多正信(近藤正臣)も見舞いにやってくるのだった。お付の方に夜食を持ってきたと言うのだった。
家康は、部屋に入り、秀吉はいくつ城を持つつもりなのだとかと言う。正信は、淀城にちなんで、茶々を淀殿という方もいるという。
清正、正則が水ごりをしているところに、三成も現れ、水ごりを始めるのだった。三成は、頭から水をかぶって見せるのだった。
それを見せつけられた、清正たちも、これに続けるのだった。
三成は、鶴松は長くないとして、宇喜多秀家、豊臣秀俊、秀次らを集めていた。秀吉の悲しみは尋常ではないとし、秀次にはこれまで以上に秀吉の支えになってもらいたいと頼むのだった。さらに、秀保、秀勝にも秀次を助け豊臣家を助けるように頼むのだった。
昌幸は、秀吉の歳はいくつかと信繁にたずねていた。今年で55になると。もう、子は出来ぬと昌幸は言うのだった。
そのころ、家康もまた、跡継ぎがいる事で、豊臣の世が続くと誰もが思っていた。
ところが鶴松が死ぬことで流れが変わると、昌幸は言う。ひょっとして、豊臣は秀吉一代で終わるのでは、人は言い始めると昌相は言うのだった。
家康は、見方によっては鶴松が生まれる前に戻っただけとも言える、しかし本当にそうか!?秀吉は年々老いている。
今のところ、後を継ぐのは秀次だと昌幸は言う。決して愚鈍な男ではなさそうだが。秀吉に比べればひ弱すぎると、家康は評するのだった。
秀吉の世は長くはもたないと、昌幸も家康も思っていた。
その日の夜、鶴松の容体は急変した。
その場をぬけ出す秀吉を、信繁が追う。秀吉は、信繁に尋ねる。鶴松は、何のために生を受け死んで行くのだと。
もっともっと、いい衣を着せて、いいものを食べさせ、楽しい事をさせたかったと。
そんな秀吉に、信繁は、よくない事をいうと、そのとおりになると止めさせるのだった。今はよい事だけを考えましょうと。
鶴松様は、元服されるとなんという名になるのかと、秀吉に尋ねる。まだ考えていないという秀吉に、やはり藤吉郎ですかと尋ねる。
秀吉はただ、そうするかと尋ねる。信繁はさらに、奥方はどうされるのかと尋ねる。秀次に娘がおるとし、いっしょにさせようと秀吉は言う。
いくいくは、鶴松は関白となり、そしてこの国を収めるのだと。
秀吉はどうするのだと、信繁が尋ねると、海をわたって明国を攻め下ろすかと答えるのだった。
だが、鶴松は、わずか2年2ヶ月の短い生涯を終えた。
茶々は、ただ無言で部屋を出て行く。秀吉があやすようにでんでん太鼓を叩く音だけが響き渡っていた。
信繁は、茶々の後を追っていた。鶴松のそばにいなくてよいのかと尋ねる。
茶々は、死んでしまったのだから、横にいてもしょうがないと言うのだった。皆、死んでしまう。自分の大切な人たちと言い残し、去るのだった。
茶々の前に現れた寧。寧はだまって、茶々を抱きしめるのだった。泣き崩れる茶々であった。
鶴松の死は、豊臣家に大きな影を落としたが、それはまだ序章に過ぎなかった。
感想
秀吉の子、鶴松が亡くなる回だったが、秀長、そして千利休が亡くなる回でもあった。
特に、利休の切腹までの流れは、回想によって行われていたので、時間軸が非常にわかりづらいものになっています。
小田原城の蔵で見つけた、利休の印をした鉛と、茶々が作らせた利休の像の話は、別時間軸なんでしょう。
ただ、これら全てが利休にとって災いし切腹という憂き目にありました。ただ、利休の像を作らせたのが、茶々という話になるとうるさ寒いものを感じます。
きりが、茶々の事が怖いと言っていたが、のちのち豊臣をも滅ぼす事になるのだから、その負のパワーたるやという感じがしますね。信繁の言うとおり、悪気はないのだろうけど、それがまた怖い。
鶴松が亡くなる事で、豊臣家は秀吉一代のものとなると踏んだ、昌幸と家康。その予想は多少違っては来ますが、結果的にはそうなります。まだまだ、天下取りのチャンスがあると思っていた事でしょう。
いよいよ、鶴松が亡くなり、秀吉は明への進出を試みます。豊臣家の滅亡へのスタートともいえますね。
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