馬廻衆になった信繁は、権三(吉田ボイスと名乗る侍の代わりだという。その権三は、茶々(竹内結子)に気に入られたため、秀吉の命により加藤清正(新井浩文)に殺されたのではというのだ。

秀吉は、千利休(桂文枝)を招いて、帯などを買い求めていた。寧(鈴木京香)たちにあげるためだ。秀吉は自らが選んだというが、秀次(新納慎也)が選んだものであった。そして、なぜか寧の侍女になかに信繁の元を出て行ったきり(長澤まさみ)がいるのだった。
秀吉は、いよいよ九州征伐が始まるという。中国の毛利、四国の長宗我部らで攻めさせ、秀吉自らは大坂に留まるのだと。九州の大名たちの人質を寧に預かってもらいたいというのだ。
返す刀で、茶々の元へ向かった秀吉。茶々にも南蛮の帯をあげていたのった。信繁の元にもらった帯を見せびらかす、茶々だったが、権三の件があるためあまり親しげにしたくない信繁。

信繁はあらためて、茶々には近づかぬように言われる。権三で殺されたのは3人目なのだという。三成の呼ばれた信繁は、上杉が帰った事について尋ねる。上杉といえども秀吉には従わざるを得ないのだという。さらに、徳川に真田を攻めさせるのも、徳川に仮を造るためだという。徳川が攻め込もうとすれば、秀吉が止めるだろうと。

信繁はお文庫に連れてこられる、城の見取り図を覚えておけというのだ。三成は、いずれは堺の商人たちは大坂の意に従わせねばならぬと大谷吉継(片岡愛之助)にいう。その為は堺の商人の望みをそのまま秀吉に伝えられる利休がやっかいだと。

秀吉は忙しく京都へと向かった。その後、信繁は茶々に呼ばれる事になる。信繁は、権三が亡くなっても茶々は悲しんでいられぬようだと問うが、茶々は悲しむのはやめたのだという。
秀吉からもらった帯をつけて見せる茶々。信繁に東国の話をきかせてくれというのだが、信繁は秀吉の事もあり早々に立ち去ろうとする。さらに、茶々に会っていた事を秀吉の耳には入れぬように言い伝えるのだった。

権三が落とされたという井戸を覗き込んでいた信繁のところへ加藤清正(新井浩文)が通りかかる。清正は、信繁に自分がした事は秀吉に頼まれたからではないという。清正に胸ぐらをつかまれた信繁は逆に、清正の腕をとりねじるのだが、清正に力任せに持ち上げられてしまう。あやういところを、羽柴秀長(千葉哲也)が通りかかり助かるのだった。

浜松城では、本多忠勝(藤岡弘、)が女たちに稽古をつけていた。その中には忠勝の娘の稲(吉田羊)もいた。徳川家康(内野聖陽)は、ついに真田討伐が始まるという。
家康が大軍勢を用意しているという話は真田昌幸(草刈正雄)の元にも伝えられていた。家康が何を待っているかと出浦昌相(寺島進)らは気にしていた。北条と示し合わせているのではと疑う。援軍を要請した上杉からは断りの返事が届くのだった。信幸(大泉洋)は、家康は秀吉の許しを待っているのではと気づく。

秀吉は、信繁を呼び出す。家康が、真田攻めの許しを請うてきたからだ。最近の家康を知らないという秀吉は、信繁に家康の見立てを問うのだった。信繁は、家康の本心ではないという。秀吉の許しをえねば、秀吉の怒りを買う事を考えての行動だと。三成は、信繁が真田のものでなければ一理あるというが信用ならないという。だが、秀吉は信繁の言い分を信用することにする。

片桐且元(小林隆)が家康の元に使者として行く事となった。なんと、家康の真田攻めを容認するというのだ。このままでは真田が滅ぼされてしまうと慌てて、秀吉や三成を探すのだが見つからない。そこに通りかかったのは茶々であった。

感想

この回も、ホントに何を考えているのかまったく読めない秀吉に振り回される信繁のでありました。上杉景勝が先に帰ってしまい、いつの間にか秀吉の馬廻衆に取り立てられるという状況。茶々に気に入られて殺された権三に変わってというから戦々恐々であります。茶々が信繁と親しげにしている様子をみる秀吉の目が怖すぎます。

信繁自信は真田の事が気になっているのだが、秀吉はいいように翻弄します。家康は、秀吉に許しをえて、従ったふりをしてみせる中で、秀吉も家康に恩を売ろうという、まさに化かし合いに様相になってきました。

そんな中で、上杉の後ろ盾もなくなり、徳川も秀吉も敵に回す形なっている昌幸。さすがに、これは分が悪い情勢です。大坂にいる信繁がなんとかしなければならないわけですが、この窮地をどう乗り切りますか。

今回は、将来信幸の正室となる、稲が登場しました。この頃は目の敵にしていた真田の元へ嫁ぐ訳ですからおもしろいものです。

真田丸 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

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NHK出版 NHK出版 2015-12-19

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