大河ドラマ 軍師官兵衛 31-33話感想
大河ドラマ「軍師官兵衛」の31~32話の感想です。
第31回 「天下人への道」
あらすじ
明智光秀(春風亭小朝)を打ち倒した秀吉(竹中直人)は、いよいよ天下人への道を歩み出す。
清州会議で、織田家の家督を三法師に継がすと、自らは居城を姫路へと移す。
三法師を手元におく信雄に対して、官兵衛(岡田准一)は信長の葬儀を早急に執り行うように進言するが、結局秀吉主導で信長の葬儀を執り行う事になる。
柴田勝家は、毛利と手を結ぶため、吉川元春に書状を出す。一方、官兵衛は安芸にいた足利義昭を京へ連れ戻す事となる。
一方、千宗易(伊武雅刀)の仲介で官兵衛は荒木村重改め道糞(田中哲司)と再会を果たす。
年明けて、新年の酒宴で蜂須賀小六(ピエール瀧)の娘・糸(高畑充希)と長政(松坂桃李)の縁談が決まる。
再び道糞と会った官兵衛に対して、道糞はこれまでの経緯を話しだす。"信長との勝負には勝った"という道糞だが死ぬことも出来ずに生き恥を晒しているという。
"ワシはもはや人出はない、化け物かも知れぬ"という道糞に対して、「この乱世は終わらせる」と言い放つ官兵衛であった。
しかし、天下という魔力に対して、秀吉も変わるだろうと道糞は言うのであった。
そして、秀吉は滝川一益討伐に乗り出す。対して、柴田勝家は一益側について敵対する。
賤ヶ岳の戦いで勝利した秀吉。勝家は腹を切り自害する。勝家と共に亡くなったお市の娘3人が秀吉の元に預けられる。
その中には、後の淀君・茶々(二階堂ふみ)もいた。秀吉に斬りかかる茶々は、父・浅井長政、母・お市を殺された恨みをもっていた。
感想
秀吉と官兵衛のタッグで、この回で既に柴田勝家にも勝利し天下人に近づいたという回です。
その一方で、再び登場した荒木村重が不気味な役回りとなっています。
実際、村重改め道糞の言うとおり、ここから徐々に秀吉は変わり始めて、勘兵衛との溝が出来ていく訳ですからおもしろい。
物語の中では、重要な場面ではありませんが、長政の妻に糸がなる事になりました。糸は後々、関が原の戦いの前に離縁させられるのですが、この時期はいい感じの2人ではあります。
そして、茶々が登場します。後に秀吉の側室になる訳ですが、両親の仇でもある秀吉に対して恨みをもっている事もあり、かなり険悪な関係です。ここから、茶々がどう変わっていくのか、どう関与していくのかも見ものです。
第32回 「さらば、父よ!」
あらすじ
秀吉は、小牧・長久手の戦いで徳川家康(寺尾聡)・織田信雄に苦杯を喫していた。
その頃、官兵衛は毛利との折衝を終えて新たなる領地、播磨・山崎城へ帰ってきてた。官兵衛は徳川と戦をする事に反対していたのだった。
毛利との折衝で、領地を分割するのであったが、土地の地侍の反抗にあった苦労を思い出す。
官兵衛は、長政に山崎の地を任せて、自身は九州攻めの準備を始める。
一方で、秀吉は、茶々を溺愛するが、茶々自身はそれを拒み続けていた。
官兵衛は大阪城で道糞改め道薫と鉢合わせる。道薫は、秀吉の御伽衆となっていたのだった。そして、「上様は少しお変わりになった」と官兵衛に伝えるのだった。
徳川を討とうとする秀吉に対して、官兵衛は猛反対する。徳川家臣団の結束の固さを警戒する官兵衛は、まずは四国・九州を平定して力を付ければ、徳川も従属するだろうと説き伏せるのであった。
その頃、長政は住民らの意見を聞くために集めるのだったが、その場で怒りのあまりに切り捨てようとしてしまう。
うまくいかぬ統治に、家臣団は職隆(柴田恭兵)に意見を仰ぐのでした。職隆は、長政の元を訪れて黒田家の立ち上がりの話をするのだった。
官兵衛は大阪からの帰りに、職隆の元を訪れていた。職隆は、官兵衛に「急いではならない」と助言するのだった。
官兵衛は、話を聞き長政を呼び寄せる。「お前のやり方は、育たぬうちに刈り取りをしている」と言い放つ。職隆も同じような事を言っており、長政は住民たちに詫びる事を決めるのでした。
官兵衛は、四国攻めをおこない瞬く間に平定する。その頃、秀吉は関白を授かるのだった。
一方、職隆はの元を訪れていた光(中谷美紀)だったが、孫達と遊んでいる中静かに息を引き取るのだった。
その後、訪れた官兵衛は「後はおまかせを」と言い、職隆の事を思うのであった。
感想
官兵衛の父・職隆最後の回となりました。職隆から官兵衛、そして長政へと黒田家はいい方向に進んでいるようにも見えます。
官兵衛がいぬ間に徳川と戦い敗れた秀吉だったが、この頃から官兵衛と少しずつ溝ができていっている感じです。
石田三成が存在を大きくしているようにも見えますが、官兵衛の方がまだ立場は上のようです。
結局、徳川と雌雄を決しず、四国・九州を平定するという官兵衛の考えは合っていた事になりますが、そう簡単なものでもなかったようです。
四国をほぼ手中に収めていた長宗我部家をあっという間に平定してしまた黒田家の働きはすさまじいものがありましたが、場面としてはあっという間に終わってしまって、少し残念です。
官兵衛に関わるところで言えば、四国よりも九州の方が大きいというのは確かなので、ここは短くなってしまうのは致し方ないのでしょうね。
第33回 「傷だらけの魂」
あらすじ
秀吉は「天下総無事」として、各地の大名に争いをやめるように書状を出す事とした。未だに秀吉に従っていないのは、東の徳川・北条、そして九州の島津だけとなっていた。
石田三成は、未だに従わぬ徳川に対して攻め立てるとい言うのだが、秀吉は戦わずして徳川を軍門に下すと言うのだった。
一方、茶々を溺愛する秀吉におねが一言申すが、天下人になった秀吉に従わぬ茶々に興味をひかれるのであった。
茶々は、場内で道薫ど出くわし、興味をひかれる。有岡城の話を聞きたいと秀吉を経由して話が伝わる。
官兵衛は、高山右近(生田斗真)の通う南蛮寺へ足を通わす事が多くなる。
黒田家ではある一家が新たに使えることとなっていたが、実は村重と亡きだしの間の子供を育てていた家臣たちであった。
有岡城の話をする前に、官兵衛に見届けてほしいと、官兵衛の元を訪れていた道薫。その道薫に、息子又兵衛(のちの岩佐又兵衛)をあわせるのだったが、心を開こうとはしなかった。
そして、いよいよ秀吉、茶々らの前で有岡城の話を始める道薫。途中で話を止めさせようとする、秀吉に対して茶々は続けるように言う。
「私にはもう人の頃はありません。乱世が産んだ化け物にございます」という道薫だった。さらに、茶々にも父を殺した秀吉の元にいるのかと言い出すのだった。さらに、「天下総無事」など絵空事といい秀吉の怒りを買う道薫だったが、官兵衛が「望みが叶いましたな」と割って入るのだった。
南蛮寺で、なぜ道薫を救ったのかと問われた官兵衛は、「ここで死なせてはならぬ」と思ったからだと言う。
秀吉に殺される事は免れた道薫だったが、大阪城からは所払いとなった。ここで、官兵衛は再び又兵衛と引き合わせるのだった。
絵師になりたいという又兵衛は、道薫の絵を書いていた。それを父に渡したいというのだった。ようやく心を開く道薫だった。
道薫は堺へ向かう事となる。息子、又兵衛に別れをうげ、去っていくだった。荒木村重は、この翌年に亡くなったという。
官兵衛は、再び高山右近の元を訪れて、キリシタンとなる事となった。
秀吉のもとには、小早川隆景、安国寺恵瓊が訪れていた。そして、島津は秀吉には従わず、九州攻めをする事になるのだった。
感想
この回では、キリシタンとなる過程の官兵衛が描かれました。ここで道薫こと荒木村重が最後の見せ場を作ってくれました。
史実では、息子又兵衛との再会はなかったと思いますので、今回の話は創作になりますが、あの時救い出された赤ん坊の伏線がようやく回収されました。
官兵衛と秀吉の間に亀裂が入り始めてはいますが、まだ軍師としての官兵衛はかっているようですが・・・。
物語は、いよいよ九州攻めに入ります。これから先、九州での官兵衛と黒田家がどう描かれるのかも興味深いですね。
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