Google 「震災から 3 年、キオクと復興の今」展 ストリートビューと東北
Googleの開催している「Google 震災から 3 年、キオクと復興の今 ~ 写真とストリートビューでたどる震災と復興の 3 年間。~」という展示とトークイベントに行ってきた続きになります。
Google 震災から 3 年、キオクと復興の今 ~ 写真とストリートビューでたどる震災と復興の 3 年間。~
震災から 3 年、キオクと復興の今 ~ 写真とストリートビューでたどる震災と復興の 3 年間。 ...
前回の展示内容に続いて、トークイベントについて書いておきたいと思います。
トークイベント 「ストリートビューで東北を記録する〜2年半の道のり」
13:00からのトークイベントは、ストリートビューで東北を撮影する事となった経緯や、震災遺構の撮影についてのお話です。
今回、ストリートビューのプロダクトマネージャーをされている河合敬一さんは自身の実家が仙台市にあるという事で、震災から1ヶ月後には仙台入りし、沿岸を見て廻ったそうです。
Googleストリートビューは2006年頃からお目見えしていますが、今回のように被災地の様子を撮るといった事は考えてもみなかったそうです。
被災地を撮影するに当たって、道路事情や物資の輸送、ガソリンの供給具合などを考慮して2011年7月から撮影が開始されたそうです。その最初の地となった気仙沼市の市長さんから言われたのが、「また何年後かに来て、復興した姿を撮ってください」という事だったそうです(若干、ニュアンスなどが違うかもしれません)。
そして、これとは被災地の様子を撮影するという事以外に、東北地方のストリートビューを充実させるという事を行ったそうです。そもそも、2011年当時はまだ東北地方はストリートビューの撮影がされていない地域がたくさんありました。
被災地の被害状況を撮影するだけではなく、被害の少なかった地域を撮影する事で、東北の元気な一面も見てもらえるという意味合いもあったようです。
また、防災関連の専門家からの言われていたのが、特に内陸などでどのような建物が無事で、どのような建物が崩れたりしてしまったのかという事を撮影して残しておくのは重要だという事もありました。
そういった事もあって、岩手、宮城を中心に東北地方のストリートビューの網羅地域を拡大しました。
今回、見せてもらっておもしろかったのが、撮影カーで撮影したそのままの映像ですね。ストリートビュー用に加工するまえのもので、360どの写真がくっついたような映像が動画になっています。
ストリートビューと同時におこなったのが「おみせフォト」でのノウハウを利用して撮影した、震災遺構の撮影です。
今回、例であげてもらったのが陸前高田市の旧市庁舎と、釜石市の小学校の中でした。小学校は1,2階までは津波の被害が大きかったものの、3階は浸水はしたものの比較的綺麗な状態でした。
さらに、昨年にはこれまで行けなかった福島の被災地の様子もストリートビューで収める事が出来ました。今回、トークイベントとは関係なくたまたま訪れていた双葉町の「富沢酒造」の冨沢真理さんです。
今回の撮影に際して、震災遺構の申請などがなかった場所の撮影などは出来ないのですが、特別に「富沢酒造」さんの内部を「おみせフォト」で撮影してきたそうなのです。
双葉町に住んでいた人たちからも、反響があったようです。冨沢真理さん自身も初めての工場見学のようだと言っていました。
福島の原発事故の影響で、避難している地域は、建物自体が無事であっても、人が住んでいないと徐々に朽ちていっているという感想を述べていました。「富沢酒造」の建物自体も、梁が1本破損しただけで、修理すれば元通り仕えるというはずだったようです。
ですが、この3年の間に建物自体の痛みがひどくなり、先日の大雪の影響で一部屋根が抜け落ちたそうです。人が住んでいないだけという状況で、ここまで建物が劣化するというのは驚きでした。
いつだったか、政治家でしたか「ゴーストタウンのようだ」と言って炎上騒ぎになった事があったと思いますが、人のいない町は朽ちていくといのを聞いて、例えは悪いけど間違いではないのかなという気もしてきました。
トークイベント 「東北の明日を変える若き挑戦者たち」
続いてのトークイベントは、学習・居場所支援 TEDIC 代表の門馬優(@you0301st)さんです。この取り組み自体は初めて知るものです。
TODECは、被災地で「学習・居場所支援」をおこなっているボランティア団体です。
2011年当時、門馬さんは自身の故郷でもある石巻にボランティアとして参加していたそうですが、その中で一人の中学生の言葉に衝撃をおぼえたそうです。
「語弊はあるかもしれないけど、震災があった事で僕はある意味救われたんだ」という一言です。この中学生は家庭内もかなり荒れていて、自身もイジメなどから不登校になっていたそうです。当時、震災の影響で休校になっていた学校が授業を再開する中、ただ一人避難所に残っていたそうです。
避難所にいると、ボランティアの人たちがいろいろ声をかけてくれるんだそうです。今まで、普通に暮らしていたときは誰にも見向きもされていませんでした。
家庭内でもいわゆるDVがあったりといった問題もありました。そういった事を今までは人に話すという機会は一切なかった訳ですが、震災をきっかけに話す事が出来るようになったという事なのです。
こういった状況は、被災地だけではなく、東京でも全国でも起きているはずという事もあり、石巻だけではなく東京でも活動をしているようです。
15分という短い時間でしたが、今まで自分が知らなかった事を知るというのはいいですね。
[追記]
トークイベントの模様が公開されていました。
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