東日本大震災の被害状況記録を見て
東日本大震災から、明日で2ヶ月となります。
少し前に、実際の津波で浸水した箇所とか、被害状況がわかる資料がないかと探していたら、丁度いいのがありました。
津波による、死者は、青森県沿岸から、千葉県まで出ています。
大きな被害が出たのは、岩手県の宮古市付近から始まって、福島県のいわき市辺りが人的被害が大きいようでした。
一つ気になっていたのは、岩手県の津波被害があった地域よりわずかに北にあたる青森県沿岸では、八戸市・三沢市で計3名の犠牲者が出ているのに対して、茨城県では津波による犠牲者はいません。ですが、千葉県の旭市では、13名もの犠牲者が出ています。
リンク先に国土地理院の浸水地図があるのですが、それを見ると確かに茨城県での浸水地域は沿岸部に集中していて内陸までは入ってきてないようでした。
ただ、人的被害がなかっただけで、津波の被害はやはりかなりあったようですが。
被害のあった千葉県旭市の浸水状況を確認すると、東北地方ほどではないけど、少し内陸まで入り込んでいるようです。津波の高さもあったようです。
実際の津波の流れがよくわからないのですが、直接津波が訪れてもよさそうな銚子市付近は意外と浸水地域が少ないんですね。
単純に晨水域だけみると、山武市辺りの九十九里浜全域が浸水しています。
浸水域の広さと人的被害は必ずしも一致していないという事なんですね。これは、東北地方も一緒ですが、沿岸部に住宅地があるかないかでも大きく違ってくるし、避難が迅速におこなわれていたかどうかによっても違ってくるので、地図だけではなんともいえないですね。
大きな被害が出た東北地方を見ると、石巻市が人的被害では断トツで多いようです。
石巻の辺りは漁港などがあるわけですが、川を遡上して津波が内陸まで到達している地域が多いようです。宮城県北部から岩手県にかけては、湾口がせまくなっている地域が多くて、犠牲者が多くでている地域は住宅地も狭い湾岸部にあったようなので地図上の浸水域よりもかなりの大きな被害が出ています。
浸水地域の地図は、あくまで津波が到達した地域なので、どの程度の高さまで浸水したかまではわかりません。実際、石巻市内でも場所によって、随分と津波が到達した高さは違うと言う話もあります。
逆に、宮城県多賀城市からつづく宮城県南部辺りは、だだっぴろい平野になっていて、浸水域もかなり内陸まで続いています。
仙台市だけでも600人以上の犠牲者が出ていて、これはものすごい数なのですが、仙台市の沿岸部は田んぼなどの農用地が多くて、市街地は浸水域より内陸にほとんどあります。
これは、こちらのブログ記事にもあるが、仙台市が沿岸部は市街化調整区域としていたためのようである。
市街化調整区域は仙台市のウェブサイトに説明があります。
もし、沿岸部にまで市街地が続いていたとすると、仙台市の人口を考えると、とんでもない数の犠牲者が出ていた可能性があるという事です。
福島県は、ほぼ全域の沿岸部で津波の被害が受けていますが、それよりも原発事故の影響による避難者の人数がものすごく多くなっています。県内・県外に散らばっていると思われます。ここだけは、地震・津波による被害とは別な困難と直面しているのが吸う事情でもみてとれます。
こういった記録は、あくまで記録であり、数字だけじゃわからない事の方が多いわけですが、今回の東日本大震災の脅威の断片はわかる気がします。
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